T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

497・坂本九さんの謎

上を向いて歩こう

2011年以降、夏になると、坂本九の「上を向いて歩こう」と「見上げてごらん夜の星を」が配信チャートで上昇してくる。特に、今年はダウンロードにてプライスオフが実施されていることもあって尚更に好調だ。

その度にいつも疑問に思うことがある。坂本九作品は、なぜオリコン(1968年以降)には一切TOP50入りしていないのだろうか。
上を向いて歩こう」が世界的にヒットし、「見上げてごらん夜の星を」や「明日があるさ」が日本で大ヒットしたのが1963年〜1964年。その後も「夜明けのうた」や「レットキス」など、当時生まれていない私でも知っているヒット曲は多数ある。なのに、1968年以降、データ上にはレコードのヒット曲が一切見られないのだ。

勿論、“一発屋”と呼ばれる人ならば、その数年後、ヒットチャートから影を消すことは何ら珍しくない。しかし、九さんの場合、仮にも世界的に大ヒットし、その後も何曲もヒット、さらに1968年以降も、音楽番組をはじめ様々なテレビ番組のメインキャストとして見かけたし、歌声もバリバリの現役で、決して“過去の人”ではなかった。

この謎について、ネット上で調べようと思ったが、世界的ヒットの話と、日航機事故の話中心で、その間について「なぜタレントとして第一線のまま、レコードセールスが振るわなかったのか」は結局分からなかった。

あまりに消化不良なので、「上を向いて歩こう」周辺について、おそらく世界一詳しい音楽プロデューサーの佐藤剛さん(由紀さおり『生きる』は名作です!)にお尋ねしたら、「是非お話させてください。でも、2時間はかかります」とのことで、そんな超多忙な剛さんのお時間を、自分の趣味ごときで頂戴する訳にもいかず、何かの仕事の際にお願いしますとお返事した。(ちなみに、何らかのスキャンダルとかではないそうです。そう疑った自分が恥ずかしい!!)

既に亡くなった方の低迷要因を調べるより、過去の素晴らしい名曲を発掘していく方が遥かに前向きなので、上記の謎はそれっきりになっているが、いつか、ちゃんと知ることで、その音楽をより深く理解できればいいなと思う。