T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

393・NO MUSIC,NO提灯(笑)

真夜中の動物園

私は、執筆の仕事に対して、過去に3回ほど「提灯記事を書きやがって」との暴言を吐かれたことがある。要は、あるアーティストのアンチファンが、私がそのアーティストを褒めているのが気に入らず、お金をもらって記事を書いているということに腹を立てての捨て台詞のようだ。

言われた瞬間は、自分は純粋に人と音楽をつなごうと、まだその音楽に触れていない人にどうやって触れてもらえるか試行しているだけなのに、エライ言われようだなと傷つきもした。しかも、特別なリベートなど頂いた訳でもなく、単に原稿料とかコンサルティング料とか正規の料金をいただいているだけなのに。ホント、心無い人もいるもんだと悲しくなった。

だが、しかし。ふと考えてみれば、「政治における提灯記事」ならいざ知らず、「音楽における提灯記事」つーか「音楽における“提灯”のない記事」って何だ???音楽レビューって、そのアーティストや作品を推薦することであって、多少の苦言を含めつつもそれすら愛情を込めたいし、結果として何かしら聞く手引きをするのが正しいレビューなんじゃないのかな?

ちなみに、大人気の某ロック系音楽誌は、もはや大半が

イベント出演+広告+記事作成

のセットで150万円、みたいなパッケージ売りをしているけど、これもその定義からしたら「提灯イベントに提灯記事の提灯づくし」となるだろう。でも、実際、リスナーは記事を見て喜ぶし、LIVEにも出てもらって新たなファンを獲得し、ファンもアーティストも主催者側もwin-win-winな関係になっている。まさに「提灯記事」サマサマだ。

つまり、音楽においてビジネスをしつつ、作品を広めようとする限り「提灯的行為」以外は有り得ないんじゃないのかな?それとも、全部タダでやれとでも??それは、もうAmazonレビューとか個人ブログとかで、勝手に自分でやればいいじゃん。でも、匿名の言いたい放題の悪口たれ流しの人に、実名で生きている人たちを批判する権利などないと思うけど。

それと、私自身は、自分の正しさを示すことよりも、音楽の素晴らしさを伝えられるレビュアーになりたい。それを提灯記事としか呼べないのならそれはもう仕方ない。お金をいただくということは、責任も背負うということを忘れないで欲しい。

ジャケットは、自分を信じて生きていく際に、自分を鼓舞してくれる「鷹の歌」収録の中島みゆき『真夜中の動物園』。もっと純粋に孤高に生きる人がいるんだと勇気が湧いてくる。