T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

489・音楽配信で歌謡曲の再発見

1ヵ月半ぶりの更新です。最近は、2016年上半期の市場レポートを媒体社やレコード会社向けにまとめたり、アンケート分析したり、空いた時間にも執筆を入れたりして、相変わらず仕事漬けです(笑)。Twitter等でも、連載のお知らせ以外、もっと気軽に書きたいんだけど、およそ音楽ファンとは思えない人に意図しない方向で断片的にさらされるが面倒で、「うーん、フリーで書いているのに、仕事以上に気を遣うのもヤダな〜(笑)」と思って、このブログもいい加減に書けないと思っていたら、1ヵ月半も経っていました(苦笑)。どうぞ、ここは私や音楽が好きな方の息抜きの場所になれば嬉しいです♪


さて、2年前から仕事で配信サイトの監修をしているのですが、主だったJ-POP部分の開拓は、こんな時代にも拘わらず、有難いことに売上増が続いているので、更に歌謡曲のテコ入れも始めています。その上位ラインナップはだいたい、レコチョクさんと同じなので、まずはこちらをチェックしてください。

http://recochoku.jp/genreranking/kayoukyoku-enka/daily/

謡曲の定義は、最近、大きく揺らいでいて、ここでも、小林明子など当時はニューミュージックで区分されていた楽曲が入ったり、他方、松田聖子工藤静香は新曲も歌謡曲としてランクインするなど、かなり雑多になっていますが、まあ全体として、40代以上の人が気負わず聴けるものが多いと思います。それは、それで一つの楽しみ方でいいんです。

また、定額聴き放題や人によっては「音楽に一切お金を払わない」と言ってしまう人もいるなかで、1曲の音源に対し250円(一部作品のプライスオフでも150円)を払うリスナーがちゃんといるのも嬉しい。それだけ楽曲にチカラがあるということなんでしょうね。ちなみに、このチャートの常連は、松田聖子中森明菜工藤静香坂本冬美美空ひばりテレサ・テンあたりで、今年になって沢田研二の各楽曲が急上昇してきました。それを眺めているのもまた楽しくなります。

だがしかし。この1年間欠かさず配信系の歌謡曲ヒットを見つめているのですが、河合奈保子の楽曲が週間どころか日間でも一向にTOP100に上がってこないんです。それが不思議。というか勿体無い(苦笑)。

※ここで注意しなくてはいけないのは、元々このチャートに現れない、歌謡曲出身歌手もいるということ。郷ひろみ西城秀樹、ちなきなおみ、太田裕美堀ちえみ石川秀美浅香唯あたりは、もともと当時の楽曲が配信されていないし、また山口百恵小泉今日子がないのは、メーカー側が「歌謡曲」ではなく「J-POP」のジャンルに意図的にカテゴライズしているので、ここに登場しないのですが、奈保子さんは歌謡曲区分なのに、一切ここにはないのです。本人が休業中だからと言われるかもしれないけど、ご覧のとおり、休業、引退、鬼籍の歌い手さんもバンバン入っています。

奈保子さん自体は、CDボックスやベストアルバムやライブDVDなどの音源や映像をまとめると、それこそ復刻系ではトップクラスのセールスになるので、むしろ再評価は進んでいる方なのですが、どうも、1曲単位で購入する人が少ない、極端に少ないのです。代表曲として比較的メディアで紹介されている「スマイル・フォー・ミー」や「けんかをやめて」くらい購入しても良さそうなものを(笑)。柏原芳恵なら、代表曲「春なのに」「ハロー・グッバイ」は勿論、(とても優れた楽曲と思いますが知名度的に)やや格下の「ちょっとなら媚薬」や「最愛」でも、ここではちゃんと入るのに。

まぁ、これも1曲じゃなく、もう一気に全部買ってしまいたいほど、河合奈保子は魅力のあるアーティスト、と捉えればいいのかもしれませんね(微笑)。実際に、当時からシングルセールスが同クラスのアイドル歌手に比べ、アルバムのセールスがすこぶる高かったのですから。

また、私自身も諦めが悪い人間なので(笑)、配信特集の選曲に、奈保子さんの「FOR THE FRIENDS」「モスクワ・トワイライト」「Sky Park」などの単曲や配信アルバム特集で『A面コレクション』を掲載して、釣竿を垂らしています(笑)。そうすると、他の歌謡曲出身歌手にも引けをとらずアルバムが買われるので、やはり音源だけでも魅力があるのが分かります。

ということで、これも一つの音楽の楽しみ方としてご紹介してみました♪