T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

10・無視し続ける力が必要

 今日は、サザンオールスターズのDVD『FILL KILLER STREET』を観させていただきました。自分の名前をCREDITに見つけ、こんな裏方にも気を遣って下さった事がとても嬉しかったです。今後も、信頼して色々な情報を交換し、より良い制作・宣伝・販促に向けて分析していこうという励みになります。
 私は、このように仕事を進める上で「信頼」を築き上げてきましたが、その「人を信じる」だけではとてもしんどいということに気づきました。それは次のような経緯からです。

 05年秋に、私は自分が企画・監修・選曲したCDを出したのですが、それについて余りにも他とかけ離れた視点で企画した為か、そんなにヒットもしていないのに(苦笑)、驚くほどの数の賞賛をいただきました。あぁ、損得勘定抜きでこんなに自分のことを褒めてくれる人がいるなんて!!と物凄く嬉しかったですし、プロとしての制限を守りつつも、ファンの視点を盛り込んだことが良かったなとマーケッター冥利という気分でした。
 しかし、そういった状況への僻みなのか、あるいは自分が大好きなアーティストが選曲されていなかったからか、ごく一部の人が「自作自演の賞賛コメントはやめろ!」といくつかの掲示板等で書いたのです。(多分、これは私と好みが非常に似ているある音楽ファンの方の仕業だと想像しています。)その当時私は、媒体やCD店へのお願い周りと他の仕事で多忙だったので、そんな自作自演の余裕すらなかったのですが、「人が人を信じる」行為自体を疑うという状況を見ていて、自分が疑われているということも辛かったし、そういう人が普段は平気な顔して生きているという現状も急に恐ろしく感じました。ですが、その時に

「信頼できる人を信じ続けることが必要だけど、それと同時に
信頼できない人を無視し続けることも必要だ」

ということを学びました。当時私は、CD店など回っても「こんなの売れないよ」と冷たくあしらわれ、余計に心が弱くなっていたのだと思います。それは人を信じようとする力だけでは立ち直れなかった。それは、やはり無視するだけの強さが備わってなかったからだと思います。でも、その「無視する」大切さを心がけてからは、信頼している人の意見がより頭に入るようになり、毎日楽しく過ごせるようになりました

 「無視」なんていうと、とてもネガティブに聞こえるかもしれませんが、この情報が氾濫した世の中だからこそ、正しい情報、正しくない情報を見極める力がより重要なんじゃないかな、という気がします。