T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

26・水樹奈々と音楽ジャンル

 今日は、<執筆のお仕事>で水樹奈々さんのインタビューをしてきた。恥ずかしながら、ワタクシ、これだけ多くの音楽を聞いてきたというのに、彼女の音楽をちゃんと名前とお顔を意識して聞いたのは2004年、つまりデビューして4年も経ってからなのです。それは、私が彼女のことを「声優」というジャンルでしか見てなくて、声優の人たちは誰が誰だか分からない状況で、「演歌とアニメは優先順位を下げていてもいいかな・・・」とタカを括っていたのです。
 ・・けれども、その04年に、女性ヴォーカルのCD評をランダムに書くという別のお仕事で偶然聞いた彼女のヴォーカルに

「こ、この完成度は何??」と驚いたんです。喩えて言うなら元・SPEED、hiroのような高音の伸びやかさと、松田聖子のキュートな節回しと、島谷ひとみの中低音の安定感、それに時おり中森明菜の超絶ビブラートを併せ持つような歌唱なんです。しかも、LIVEの映像を観ても2時間歌いっぱなしでも全然へたれない。す、凄すぎ!!(なんじゃその喩え?(笑)とお思いの方もいるかもしれませんが、まさにそんなてんこ盛りのヴォーカルなんです。)

・・とそれ以来、今まで先入観でしか見ていなかったことを反省し、機会あるごとに大きく取り上げるチャンスをうかがい、前年の新聞連載の記事の方でようやく特集し、そして今回のインタビュー記事でもセレクトさせていただいた、という訳なんです。

それにしても、彼女ならば「声優」ファンじゃなくても、多くの音楽ファンが安心して聞ける作品も多いだろうに・・・。(勿論、アニメタイアップの作品は、それを意識して戦闘体制に入ったような歌が多いですが、決して彼女の魅力はそれだけではない。) でも、そうやって「声優」ファンの人たちがいるからこそ、確実に5万枚売れるという、今や日本の女性シンガーでもそれをキープしているのは10人もいないのでは・・という偉業も成し遂げているわけで・・・。

私、今までそういった先入観を大きく抱かれてしまう女性シンガーが好きになるという傾向が大いにあるので、余計に彼女には肩入れしちゃうんですよねぇ。

でも、インタビューした彼女はそんな気負いは全くなく、ただひたすら「声優も音楽もまだまだ勉強中です」と謙虚に仰るばかり。・・というか、私の好きな“先入観系”アーティストは、皆そんな人ばかりですが・・。

とにかく、久しぶりに「音楽ジャンルによる先入観」を考えさせられた一日でした。元気なガールポップが好きな人には超オススメです!なお、ご本人取材による執筆は『日経エンタテインメント!』3月号(2/3売り)の巻頭・話題人「音楽」の所で掲載されます。写真は撮り下ろしです。(カメラマンの方が、1枚もまばたきのミスがないと驚かれていました。そういう所もプロなんですね!)