T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

54・チャート分析、“愛情”一振り

 先日、分析関係でちょっと大仕事を抱えていて、本腰を入れる前、少し逃避モードで(苦笑)ネットサーフィンしてみた。それは、お逢いしたとある高名な方から「最近は、ヒットチャート分析のブログが増えているから、“つのはずさん”もヤバいかもよ〜」と忠告いただいたので、「つのちゃんは副業だから、別に・・・・・(←沢尻風)」とその場ではうそぶいてみたものの、内心ちょっと気になっていたからだ。(←やっぱり小心者。所詮、私はチャンバラもケンダマもビーダマもメンコも町一番ではないのだ(笑)。)


 そしたら出るわ、出るわ、来週のチャート予想から、チャートの1週間の経過、さらに結果として出たチャート評まで。中には、数字の上昇率、下降率を逐一算出したものなどもあってビックリ。まぁ、私などが学生の頃は、2,3クラスに1人は「ベストテンノート」を付けてる子がいたので、そこから考えると全国にこれだけチャートファンがいるというのは驚きでもないのだが、ベストテン時代から数十年経って、そんな人達はとうにいなくなっていると思っていたので、ちょっと意外だった。脈々とそういったDNAが受け継がれているのか、それとも情報化時代となって、こういうチャートを見るのが再び流行っているのか。


 いずれにしても、“素人”にしておくには、勿体ないほどの熱意なので、こういった方達の人生が報われれば良いなと願わずにいられない。(10代・20代の頃の私のように、「こんなことやって一体何になるの??」と周囲から嘲笑されていたり、自身も♪こんなー糸がなんにーなーるーの〜と悩んでくるんじゃないかなぁ・・・)


 しかし2つの意識の有無が、プロとアマの大きな分水嶺になっているようにも感じた


一つは、メディアの影響力の考慮。“どのメディアに露出したから、またどのイベントで促進したから、セールスが上昇した”という部分が、大抵は欠けている。せいぜい、ゴールデンの音楽番組程度をチェックしたかどうか。楽曲の良し悪しだけで、売れる/売れないと考えているのがチラホラ。ましてや、最近は価格の高低やフル音源の配信の有無も関係してくるし、“楽曲の良し悪し”だけでは、パッケージのヒットは非常に見えづらくなっている。


そして、もう一つ。こちらがより大きいのだが、最後の“愛情の一振り”が抜けていて、何が上がろうが下がろうが他人事なのだ。その文章を、その楽曲やアーティストのファンに向けて書いているのであれば、その楽曲やアーティストのファンが悲しまないように、セールスが落ちていても作品的には意欲的なものだと評価したり、逆にセールスが伸びていても多種類販売や大型タイアップでセールスが伸びているだけであればそれ以前の作品の感想を言ってみたり、と読み手に寄り添った方が良いな〜と読んでいて思うのだ。


 これは、決して事務所やレコード会社に媚びる、というのではなく、音楽や音楽に関わる人を愛しているか、それとも数字を眺めているかの違いを明確にすべきだということだ。もし、音楽や人に興味がないのなら、一般業種の分析家に任せておけばよいし、彼らの方がよほど緻密に分析してくれることだろう。 


 それにしても、約40年生きているのに、音楽チャートマニアの女性って出逢ったことがない。様々なオタク分野で、これだけ多くの女性が目覚ましく活躍している、というのにだ。ここをご覧の女性の皆様(おられるのか??)、どうぞチャレンジなさって下さい。きっと天下無敵になります!(微笑)


 ということで、今回は読み手を意識した文章が書けているか、と自戒を込めた文章でした〜。