T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

62・悲しみのレベルの違いに

 今日は、仕事の合間を縫って有楽町マリオンで開かれている横田滋 写真展「めぐみさん 家族と過ごした13年」』(26日まで、無料)に行った。会場入口では、横田さんのお母さんが一人ひとりに深々と会釈されていた。中に入ると横田さんのお父さんが撮られた写真が100点前後展示され、奥にはこれまでの経過をまとめたビデオ(15分〜20分程度)、そして出口に関連書籍やブルーリボンの販売、署名・活動募金コーナーがあった。写真やビデオを見て、胸が締めつけられるような気になり、私に限らず、ほぼ全員が署名と募金をしていた。(私が箱に500円玉を入れたら、大量の紙幣の上に落ちたのが分かる、重みのあるバサっという音がした。いつもは硬貨どうしか箱の底に当たった音しかしないのに、こんな経験は初めてだった。)


 それにしても、こういうのを見たり聴いたりすると、まだまだ自分なんて甘っちょろいな、なんて思う。最近の私の凹んだ経験はというと、

(しょの1)来週発売の『エンカのチカラ』について

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001GKXQ9A/t2umusiclabo-22/ref=nosim
サクサクっと検索をかけてみたら「まぁ、誰でも作れそう(注:一応、このコンセプトでは史上初です)」とか「旧譜ばかりで新鮮味がない(注:コンピというのはそういうものですし、旧譜としても入手困難な楽曲多数です)」とかもう好き放題言われて、うーん直接メールでもしてもらえたら(注)のようなことを丁重にお返事するのに、誰に説明すればよいのやら・・・やっぱり活字や電波メディアに回ったり、自分のサイトで紹介するなどして、少しずつ誤解を解くしかないなぁと思ったり・・・。(でも、http://www2.plala.or.jp/wasteofpops/ のODAさんのお蔭で、またAmazonで200位台まで上がってました。結果が出れば誤解を解く、という現金な(笑)人も多いので、こういうのって本当に嬉しい!)


(しょの2)メディアに合わせた執筆について

私は、執筆を依頼される際には、その雑誌、新聞、番組のメインターゲットが誰で、どのレベルで音楽に接しているかを考慮して、深く書くか、浅く書くか、また最新のトレンドを書くか、ナツメロを照合しながら書くか、などを決めている。(というか、社会人としてお客様に合わせた仕事なんて当然ですよね。) で、音楽コア媒体でない場合は、極力分かりやすくなるよう努めているのだが、それを横から拾い読んだアーティストのコアファンから「もっと詳しく書いて」的なご意見をいただくことがままにある。これが雑誌や新聞の時は、レジに持っていくという行為でまず違和感を抱くせいか、ファンの方も「自分は普段の読者でもないし、自分と、この記事は考えは違っても当然だな」くらいに一歩引いて下さるので、まぁ問題はない。しかし、これがWebとか携帯サイトに載った時は、自分がサーフィンして見つけたとか、はたまた掲示板などにごく一部を貼り付けたものだけを読んだとかなので、本来の読者層に対して、自分が異分子だということにも気付かずに、また前後の脈略も考慮せずに、もう言いたい放題に酷評されることがある。勿論、(絶対に購入に影響しない)外野にどう言われようが、メインのお客様に合わせて、今後も仕事をしていくつもりだが、自分の都合の良い方だけに足を引っ張ろうとする余所の人がいると、もうその度に気分が凹んでしまう。


・・・あとは、「今月前半に校了していた榎本くるみに関する“今後ブレイク必至”的な推薦記事(日経エンタ!)が、今週急遽決まったミュージックステーション出演後に読まれることになって、以前誤解されたように“TVからネタをパクった”って思われるのも嫌だなぁ」とか。(だいたいTV観て4日間で取材&執筆&校正できるのか(笑))


 で、今書いていてもあまりに低レベルで苦笑しているが、とにかく、拉致などの凶悪事件に比べれば、本当に平和に過ごせているということを痛感する。さらに、こういうレベルでしか思い煩うことがないということは、リアルな人間関係とか金銭関係とかのトラブルが一切ないということに、むしろ周囲の方々に感謝せねばとも実感させられる。


 以上、私のように、音楽以外、なんの常識のない者でも、こういった事件に興味を持ち、自分の出来る範囲で動くことで、自分自身が救われているということに今さらながら気付かされた。