T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

63・昨日の敵は今日の味方

 なんだかもうグッタリ。自分の近所のCDショップ5店でも、大半のネット通販でも、12/8(月)現在、企画CD『エンカのチカラ』が即日で買えないのだ。これが、本格デビュー前の大型新人とかだったら、わざと枚数を絞って、“即完売!やっぱり超期待の新人だね!”みたいなニュースになるんだけれど、こちらの場合は、限定盤でもなければ、新人でもないし、単に期待値以上に、注文が殺到して追いついていないというだけ(爆)。友人が買ってくれる分の数枚を買おうとするだけでも、ビルの上までエレベーターで行ったり来たり、即日買えるサイトを探してあちこちサーフィンしたりしても、1枚しか買えなかったり。なんか、もうクタクタ。このお客様の疲労感というか徒労感、どんな職業の人も忘れてはならないと思う。(ちなみに、こんなブログも見つかりました→。http://ameblo.jp/ttcy86kt89/entry-10173739337.html もう、本当に申し訳ない・・・。しかも、品物がないのにAmazon順位も比較的上位を続けていて、気長なお客様に本当に感謝です!)


 それにしても、私という奴は、企画CDが出るたびに打ちひしがれている

 11年前。音楽業界に入ったはいいが、自分の欲しいと思ったCDが出ておらず、その前に意見する実力すらなく、その後、何かの機会にかこつけて、企画書などを手渡しても即シュレッダー状態で、自分の無力を思い知らされ。


 5年前。自分の企画で初めてCDが出たが、メディアに紹介されるような切り口が少ない事や、自分でメディアのコネもなく、体当たりでプロモーションのお願いに行っても、その場で門前払い状態で、自分の無力を思い知らされ。


 そして今。お客様ニーズがありそうなコンセプトや、メディアで紹介されそうな切り口を考え、自分のコネでメディアに回ったりしても、ヒットの可能性がないと見下され、もっとハッキリ言えば、作品力がどうであれ、自分自身が信頼されていないがゆえに、初回の入荷枚数の少ない状態で、自分の無力を思い知らされ。


 本作と同時発売の朝の情報番組司会者が監修し、CMをガンガン売って、番組内でも大量に告知しているCDが、お店を回るたびに、山盛り積んであるのを見ると、素晴らしい連係プレーだなと思うと同時に、自分の無力に更にゲンナリ。(でも、そんなCDとほぼ同レベル、もしくはそれ以上でネットで売れているのが、励みにもなったり。いえ、一番の励みはサイトやブログなどでオススメの口コミをして下さるリスナーの方々です!


 しかし。そうやって自分の無力さ加減が分かり、先はまだ遠いと認識できるからこそ、また挑戦しようという自分が近未来にいたり。さらに、それまで自分の意志が伝わらなかったレコード会社、TV、ラジオ、新聞、雑誌、ネットなどの各媒体、CDショップが、仕事を進めるたびにどんどん味方について下さったり。しかも、これが嬉しい事に、ほぼ不可逆反応で、敵が味方になることばかりで、味方が敵になることは殆どない。だから、無力さに一度落ち込んでは、その味方たちに支えられ、目の前のハードルを超えようと再び立ち上がる。人生がその繰り返しだと気付かされるだけでも、今の自分は幸せなのかもしれない。