T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

79・永遠のマイノリティー

 先日、仕事で池袋に行ったので、ついでに中古CD&DVDのリバティーに立ち寄った。上京して間もない頃、まだBOOK OFFも殆どない状況で、リバティーには、そこそこの値頃感と豊富な品揃えで、ヒロリンの廃盤は勿論、DIAMANTESやSING LIKE TALKING吉田美奈子中森明菜などなど、多くのアーティストの後追いによるアルバム・コンプリート収集で随分とお世話になった。しかし2000年代に入ってから、どの支店もアニメとアダルトという2大A産業を重視してか、J-POPコーナーがどんどん縮小されていったので、次第に足が遠のいていた。なので、このお店に入るのも5年ぶりくらいだった。

 予想通り、CDコーナーの2F,3Fの大半がアニメコーナーとなっている中で、ひっそりと一角にJ-POP中心の100円特価コーナーがあり、しかし、これがもの凄いハイレベルで、良作かつ綺麗なCDがあったので驚いた。ちょうど、駅の反対側にHMVの居抜きで開店したBOOK OFFの超大型店が出来たタイミングだったからか、それともリバティー全体でJ-POPから完全撤退する為か、とにかく安くて、今、積ん読ならぬ積ん聴きになっているCDが山ほどあるにもかかわらず、ついつい昔の血が疼いてしまい、買い忘れていた昨年版のグラミー・ノミニーズとか、学生当時にカセットだけで持っていた岡村孝子の初期とか、大量に買い込んでしまった。

 そのうちの1枚が、瀬能あづさの2ndアルバム『Horizon』。CoCoから脱退後も、ベスト盤や1stアルバムの再発でシングル曲は知っていて、安定した歌唱をする人だとは思っていたが、アルバムをフルで聞いてみたら、まんまZARDの対抗馬みたいな作風と完成度で驚いた。勿論、ZARDはタイアップに合わせて、ここぞとばかりボーカルを重ねたり、サビ前でシンセやドラムで印象付けたり、と良い意味で更にケバい加工を施していたけれど、かたや200万枚のヒットアルバム連発、かたや1stはCoCoからの流れで5万枚を超えるものの2ndは尻つぼみで2万枚、というのはあまりに差が有りすぎやしないか、当時の彼女のファンは、「元・アイドルというだけで、なぜ聞いてくれないのか」と歯痒かったのか、それとも「元・アイドルグループなんだから、アイドルらしくドリーミーなキャンディ・ポップだけ歌っていればいいのに」と見放してしまったのか(売上だけ見れば、後者が多いように取れるが)・・・と、ここまで句読点がないように、彼女のひたむきな音楽スタイルは、私の河合奈保子ファンとしての苦悩歴(?)を一気になぞってしまった。(優劣ではなく)自分がベタはまりするタイプのアーティストではないので詳細解説は控えるが、10曲中6曲を高見沢俊彦が作曲を手がけているので、THE ALFEEファンの方、たかみーの明解でキャッチーなポップス好きの方、よろしければどうぞ

 奈保子さんと言えば、先日、ファイルを整理していたら(今のところ)LAST LIVEである『音の流れの中で』の感想メモが出てきた。非常に拙い文章だけれど、随分と長い間忘れていたことも書かれていたので、そのうち本サイトの方で更新しよう。もし紹介した暁には、見返り(微笑)として、奈保子さんに限らずコロムビアさんのCDをどこかで買って下さると嬉しいっす。あ、『nahoko音』でも勿論OKです。 (そういえば、1ヶ月以上更新が止まっている(大汗)サイトなのに、平原綾香『my classics!』がアフェリエイトで売れ続けているのは驚き・・・。平原さんと中高年男性−おそらく高収入−の相性の良さをあらためて知った次第。)

 ということで、本業の分析でメジャーな部分を中心に見ていても、時々参加するCD企画や執筆でライトな音楽ファン向けに紹介しようと目指していても、結局は隠れた名曲を発掘したい、真に評価してほしい、とマイノリティーの渦に自ら巻き込まれていく私であった(笑)。