T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

110・着うたホラー

 着うたで急上昇した時に、うちの事務所にもFAXや郵送で、紙資料の追加分が届いたりするけれど、既にCDパッケージが発売されているのに、着うただけが伸びていた時に、メーカー担当者は現在のバブル状況を喜ぶことよりも、“この子には今後コアファンが付きづらいのだな”という直近未来を心配した方がいい、といつも思う。そして、2作目がノンタイアップだったりすると、案の定、CDはおろか着うたですら、全く売れなくなるのだ。

 また、着うた市場がほぼ横ばいと言うけれど、昨年あたりから「ダウンロードしたらポイント還元、ボーナスポイントまでゲットできる!」という“上位ゴリ押しランクインを目的とした購入促進分”も大いに含まれているので、実際には既に大きく下がっていることに注意すべきだ。ちなみに、有線にしても、着うたにしても、急上昇曲が大量にあったランキングにおいて、急降下している楽曲があれば、それが“前回まで不自然に注力されていた楽曲”だとすぐ分かるから面白い、というかこのご時勢にそんな所にお金を垂れ流して採算取れるのか??と怖くなってくる。それでも、A社あたりは、そのヒット情報をしっかりスポーツ紙や朝の番組に大きく流しているけれど(彼らの行動力はいつも天晴だ。言い訳せずに、まず動くって本当に大事)。ちなみに、現在“冬美超えのヒット”と大きく報道されているクミコさんは、CDチャートでは200位内にも入っていない。でも、そんな不自然な現象をキッカケとしても、彼女のような実力から自然なヒットが生まれてくるのだから、音楽市場ってホント面白くもあるのだ。まさに、ウソから出た真というか。

 話はそれたが、とにかく凄い近い将来、大容量のハードさえ揃えば、すべての音源や画像が無料でやり取りされるようになってくるはず。そんな中、アーティストや作り手の思いに共感できる、実際に自分が元気になれるモノとして世の中に残るものだけが、つまるところタダでは済まされずに生き残るのだと思う。