T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

116・ベテランファンの方に感謝

 先日、河合奈保子30周年についてあれこれ書いていたら、自分の中の“奈保子熱”が再燃し(笑)、 『NAOKO PREMIUM』をいつもより大きな音で聞いていたら、自分の知らなかった音がバンバン聞こえて驚いた。試しに、80年代当時に購入したCDをその音量で聞いても発見できなかった。コロムビアは小さな音の多いクラシックを多く扱っているからだろうか(いえ、真相は知りません)。ちなみに、ビクター作品(というか他社CDでもFLAIRスタジオでリマスタリングされたもの)は通常音量でシャキシャキ分かるようになっています。無論、優劣を語っている訳ではなく。

 そんな温故モードに突入していたら、そういえば、この当時、ベテランファンの多くの人が好きじゃなかったな〜なんて思い出した。いえ、過去形ですよ、過去形。例えば、ネットとか当時の歌謡ファンの集いとかで、「デビュー当時からファンです」みたいな人と出会うじゃないですか。私の場合は、ファンであるアーティストの多くは多感な1980年代の後半に目覚めている訳で、ヒロリンなんてLPベストが1984年、CDベストを買ったのが1990年、オリジナルを一気に買い始めたのは1995年だから、そのベテランファンの方とは10年以上差がある訳で、最初はその先輩方に対して「あー、すごいなー、いろいろ知ってるなー」なんて思うのですが、さらに会話とかメールとか続けると、大抵の人がデビュー2〜3年のことが話題の中心で、試しに「奈保子さんって、「Dear John」とか「今日を生きよう」とかアルバム曲でもガンガン歌っていますよね」とか「中島みゆき御乱心期の作品って「ノスタルジア」とか「HALF」とか「ローリング」とか実は名曲も多いですよね」とか「宏美さんの『cinema』とか『戯夜曼』って完成度高いですよね」とかでカマかけると(←なんと生意気な20代!)、「いや・・・その辺の作品は買ってないから・・」なんてモゴモゴと答が返ってきて、 「なんや??ファン歴長い長い言うてエバってるけど、この人ら活動初期で中退しとるがな!ファン歴20年やのうて、“ファン歴はせいぜい5年で、あと15年はサボってました”ってハッキリ言わんかい!!」などと、心の中で思いつつ、しまいには「この人らが途中でファンを辞めたせいで、その後リリースが途絶えてしもたんや。自分が新作を楽しめなくなったのは、この人らのせいや!!」なんて、責任転嫁する始末(オーコワ!!人は、他で理由を探しては、自分を正当化する愚かな生き物なんです(苦笑))。

 しかし、近頃の私はようやく(遅いっつーの!)、自分がリアルタイムでファンじゃなかった頃に、次々と名作を生み出せる環境にあって、それを後追いの私が楽しめるのは、ベテランファンの方が応援していたからなんだなぁ〜と、あらためて感謝したいと思った。だって、ヒロリンなんて、TVで「この人、伸び伸び歌ってるな〜」とおぼろげに思っていただけの時期に、オールジャンルでハイレベルなオリジナルとか、どこまでスパークするの??って迫力満点のLIVEやそのアルバムを発表していたなんて、夢にも思わなかった訳だし。本当に、当時のファンの方に感謝感激です!そして、リリースが続いているアーティストについては、(一部の悲しい人を除いて)どんなファン歴の人でも、どんな応援スタイルであっても、ファンとして変わりないと思えるようになった・・・・・・・・・・はず(まだまだ子供(汗))。