115・ゆずれない想い
長年連載をさせていただいている日経エンタテインメント!で、TV等でも有名なエンタ!看板男、品田編集委員と、AKB48の篠田麻里子女史(彼女って凄く女子受けする顔立ちなので、ますます伸びると思います)の対談が載っていて、その中で、中島みゆきの「悪女」を、秋元康が作詞したという下りがあって、思わず憤慨してしまった! 「私がやさぐれた状態で捨て台詞を吐けば、あなたはあの娘のもとへ迷わず行けるんでしょ。だったら、悪女になりきってやろうじゃない。」なんて微妙な心理描写の名作を、時代のキーワードだけを並べてヒット曲を飛ばす“あざとさ第一主義”(笑)の秋元さんに書けるわけないやん!!!(ちなみに、私、秋元さんはエンタテイナーとして凄い人だと大いに感心しています。作詞家として、何一つ感動したことがない、というだけで、彼自身を否定などしておりません。「ポニーテールとシュシュ」も、憶えやすくてむしろ好きだし。)
しかも、その文中で、
品田「あれ秋元さん作詞だよね。」
篠田「そうなんです。秋元さんの歌だしいいと思って。」
秋元(伝聞形で登場)「僕が作詞なの知っていましたか」←本人まで誤解??
なんて下りがあって、対談中の重要事項として語られている。品田、篠田、秋元、各氏そしてこれを見ていた編集さん、カメラマン、各マネージャーなどスタッフも誰も疑わなかったのかね・・・中島みゆきが自分の作品で、他の人の詞を歌うことなんてごくごく稀で、シングル曲ならばすべて自作詞なのに、あんなに言葉にこだわる人が、秋元康のコンビニエントな歌詞を歌えるのか??なんて思わなかったのかな〜。皆さんも、「悪女」の作詞は秋元康だと思っていましたか?ちなみにこれ、1981年の作品で、彼はまだ作詞家としてヒット曲を手がけていなかったと思うのだけれど。
私自身も活字媒体での誤植は、もう十回近くあって、サイトでの誤植なんてきっと百箇所くらいあって、他人の誤植自体をとやかく言える立場ではない。 (そういえば、あるヒロリンファンと思しき方から「間違いだらけのホームページ、作らないで下さい!」なんて苦情をいただいたことがありました。ボランティアで作っているファンサイトになぜそこまで追及されなきゃいけないのでしょうか(涙)。だったら、あなたが校正さんを雇って下さいよ、タダで・・・と言い返したいほど(苦笑)。まぁ、そんなこともあって、ホームページは気軽に更新できないのであります(以上言い訳)。) 今回の件も、ここでグダグダ書いて、自分だけが正義だとか「鬼の首、取ったドーー!!」って自慢したいのではないし、現に既に編集長さまにこの件は直接ご連絡している。ちなみに、私、品田さんも、「この人、昆虫??」みたいなルックスとか極細な体型(多分ウエスト60cm以下、男でですよ)が直視できない程苦手だけれど(スミマセン)、エンタメ全般に博識だし、言っている内容はキライじゃない。つまり、そんな言動があったからとて、3人とも憎いなんて全然思っていないのだ(むしろ、凄い人達の言葉は素直に勉強になる。)。
けれども、やっぱり、自分が感銘を受けた作品が、作詞家として最も感銘を受けたことのない人によるものだと言われたことで、なんだかすごく侮辱された気になったのだ。しかも、「あの良い詞は、さすが秋元さんだよね〜」みたいな対談の流れでデリカシーすらもがれたようで、気分が悪くなった。でも、こんなオジサンになっても、10代の頃のような、ゆずれない想いを持ち続けているなんて、やっぱり私は良くも悪くも心が青いんだと実感した。そして、その感覚が仕事でリスナーの立場で考えるルーツになっているんだろうなぁ。やっぱり、私は永遠に素人なんだと思う。