T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

120・今も昔もチカラありき

 このところ、市場分析やら、インタビュー原稿やら、CD企画やら、連載執筆やらと、毎日のように〆切を提出していて、なんだか嬉しいやら恐ろしいやら。でも、〆切地獄のあとは、ご請求天国があるはず なので、頑張りたいものです。夏は普通に動いていても痩せるので、最近は体脂肪率12%前後、体年齢19才とか出るのをこっそり喜んでいます。脇腹のプチぜい肉とかホウレイセンとか備えた19才なんて見たことないんだけど(苦笑)。

 そういえば、先日「HEY!HEY!HEY!」で”中島みゆき「ファイト!」の歌詞に注目!”と、なぜか今さらながら特集していたんだけど、その歌詞を見ながら、某永遠の大物アイドルの娘さんが「こわーい、こわーい!」と歌詞を表層的に捉えて連呼していたけど、

「いつまで経っても親の七光り的扱いだけで、そういった上っ面のコメントしか出来ない、お前の将来の方がわしゃ怖いぞ!ボケっ!」

と思いました。彼女は、なぜ親御さんから一流としての“したたかさ”を一向に学ばないのでしょうか。哀しい人。

 まぁ、そんなことはともかく、今日はキングさんの70年代〜90年代のアーティストのベスト『パーフェクト・ベスト』シリーズの発売日ですね。私は仕事では全然関わっておらず、一音楽ファンとして楽しませてもらっていますが、三原順子倉田まり子の作品で思う所がありました。

三原順子の楽曲は、彼女のデビュー前からのアーティスト認知度やトークやキャラクターのユニークさとは裏腹に、ピンと立っていない曲が多く(特に職業作家さんが、他の作品のような秀作が少なく、彼女には手抜きしたんじゃないかと思うほど力が発揮できていない)、“売れてないけど名曲”って少ないんだな〜と思った。でも、楽曲ごとに歌声をあれこれ変えていて、歌手としても面白い人だったんだとあらためて分かった。「悲・GEORGE 」とかやりすぎていて最高です。(TVではアン・ルイスによるスタイリングのパンツ・ルック−パンツというよりもフンドシ−も斬新でしたっけ。)

そして、倉田まり子。よくどこへ行っても石川ひとみとの区別がつかないとか言われていたが、落ち着いて聞いてその個性にぶったまげた!倉田さん、岩崎宏美のパンチ力と、高田みづえの歌謡感を併せ持つような歌唱で、彼女たちのように芸映とかバーニングとかに所属せず、おまけにレコード会社もアイドル戦略が必ずしも得意でなかったことで、セールス的に苦戦したけれど、それでも20枚もシングルを出し続けたというスタッフなのか会社のお偉いさんなのか、その心意気に拍手!というか、これだけの歌唱力があれば、諦めきれないですよね。実際、もし声優とアニメ歌手という兼業を続けていたら、更に売れただろうし。今回のは、リマスタリング効果もあるけど、本当にアイドルポップス&歌謡ファンには是非聞いておきたい1枚になっていると思います。彼女って、いわれのないスキャンダルで余儀なく引退させられた印象があったので(そう考えたら20枚以上続いたはず)尚更に、またボランティア・ページなどで作りたいな〜。ただ、このシリーズのCD解説は、かなり残念な出来。担当されている方は、著名な方なのに、忙しすぎたのか、はたまたこういうジャンルがお好きじゃないのか。詳しく書けないとしてもせめて「愛」があれば読みたい文章になるのに・・・と思った。(ちなみに『Venus Legend』の方は、すごくしっかりしていて、初心者に大変勉強になります。)

ということで、この2枚から学んだのが

河合奈保子って、やっぱり曲にも恵まれていた
(容姿にも恵まれていたから伝わりづらかっただけで)

・歌の上手さで聞いていたつもりだったが、結局はメディアに強い事務所やレコード会社の作品を優先的に聞いていた

ということだ。勿論、当時小学生だった私が、事務所の力関係を検証した上でTOP100圏外のものを掘り出して聞く手段などなかったのだけれど。30年経ってようやく理解される真実もあるのだと思うと、人から誤解されたところでクヨクヨしてもそれは仕方ないともあらためて感じた。