T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

119・陰の師は母

 今朝ほど、連載をしている共同通信社からパク・ヨンハのアルバム『STARs』に関する原稿書き換えの電話がかかってきた。原稿は2週間前に提出済みだったのだが、「これからが楽しみになる作品だ」という文章を、急遽「意欲作だっただけに残念でならない」という風に変えて再提出した。

 私が、このコーナーでパク・ヨンハを取り上げたキッカケは、実は母の推薦があったからなのだ。母の周囲は、私も含め「あー、またオバハン(失礼)によくある韓流病みたいなやつだな〜」と半ば呆れながらも、まぁ70才をとうに過ぎ、ボケ防止にもなるだろうし、と微笑ましくも放置(笑)していた。しかし、よくよく母の話を聞いてみると、単に見た目だけでなく、楽曲がどんどん良くなっていると力説するのだ。それで、全くその気はなかったが、渋々最近の作品を聞いてみると、作品ごとに良いになっているのが分かって、これは一度CD評を書いてみたいと思ったのだ。だから、パクちゃんへのコメント「意欲作だっただけに残念でならない」は、決して美辞麗句ではなく、ましてや、亡くなったからと、アクセス数を稼ぐために急いでCD評を書いた訳でもない。(その意味では、「これからが楽しみだ」で通した方が、それ以前に書いた文章だと分かって良かったような・・・)

 それにしても、また母にやられたという気分である。本田美奈子.の「つばさ」についても、彼女が亡くなる前から「この曲は後に名曲として残るはず」と絶賛していたし、ちなみに(私が無理矢理実家に送りつけて聞いている)河合奈保子なら「ハーフムーン・セレナーデ」、岩崎宏美なら「学生街の四季」が名曲だと語っていた。ちなみに、うちの母は、AMラジオを物凄く聞いているので、タイアップ情報とかゴシップとかは普通の人よりは知っているはずなのだが、そういった先入観が一切なく、あくまでもリベラルに楽曲を聞いているのだ・・・・それって、私が目指そうとしても、まだまだ到達できてないとこやん!参りました〜〜。

 でも、亡くなられてから、あるいは、引退されてからの再評価は、なんだかいつも悔しい。それぞれのアーティストが活動されているうちに、名曲にスポットが当たるように、私もお手伝いしながら生きていたい、とより強く思った。