T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

167・前より後(うしろ)が好き

 小泉今日子の『なんてったって30年!』のベストソングを、中ページの小さな文字レベルまで調べてみた(←ヒマ???(笑)なお、一人複数曲挙げている人は1位のみをカウント)。そうしたところ、5位「夜明けのMEW」、3位「優しい雨」、2位「木枯しに抱かれて」、1位「あなたに会えてよかった」あたりは順当として4位に「Fade Out」が!!!うわっ、嬉しい!この歌、25周年ベストにも入らなかったように、オフィシャルの名曲ランキングでは絶対に上位に入らず、TVでもKYON2の代表曲として絶対にO.A.されないけど、こうして、熱心なファンやKYON2好きの関係者で1曲だけを選ぶとグググっと上位に入るんだなぁ。やっぱり、アンケートにせよ、人気投票にせよ、誰に尋ねているか、何曲挙げてもらっているか、それは選択肢なのか自由回答なのかでも、結果が大いに異なることを激しく実感した1件でした(だから、SNSやコメント欄で、その分析の難解さと、発言の容易さのギャップを目の当たりにすると、とても歯がゆい。)ちなみに、私は「Fade Out」の歌詞、桃井かおりのカバーでようやく理解できたほどウブな奴です。

 そんなKYON2でも該当するのだけど、私が好きなアーティストのベストソングやベストアルバムを選ぶ時、初期の楽曲が入るなんてことは滅多にない。あっ、岩崎ヒロリンだけは、例外的に初期も好きな曲が多い。(でも、83年以降も大好き。)明菜っちで1枚挙げるとしたら『Stock』か『不思議』、平均点ではユニバーサル期の方が上だし、河合ナオナオなら『さよなら物語』〜『JAPAN』あたり、今回、BOXに関わらせてもらった優さんなら、『LANAI』のコンセプトありきも拍手ものだけど、一番は『GET DOWN!』か『MOMENTS』が好き(『MOMENTS』は、素直に良いアルバム。是非、今回のBOXで最初に聞いてほしいほど!)。生涯で一番聴いている中島みゆきでは、80年代、90年代、00年代以降にそれぞれ聞きまくったアルバムがあり、ご乱心期以降全否定のオッサンとは全く話がかみ合わないほどだ。

 やっぱり、音楽ってどうしても旬ありきで、芸術性と商業性って決して比例しないものだし、だけど、売上げが下がることなんて誰も望んでいないし(そんなことをしたらますます予算が削られる)、より良い曲、想いが詰まった曲を届けようとアーティスト側も必死な訳で、そこに大いに共感しているんだと思う。実際、表現力も上がっているし、平等に聴いたら、初期の方が歌が上手い、ってアイドルならほぼ有り得ないと思う。

 その一方で、音楽が一番の趣味じゃない人にとっては、そこまで聞き込む必要なんてないし、単純に自分の想い出のBGMになってくれれば十分な訳で、それならヒット作が手っ取り早いし、それを選ぶのが“正解”なんだと思う。だから、自分は「チッチッチ、分かってないなぁ」なんて、とてもとても言えないし、むしろそんな正解の中でも、今回の「Fade Out」のようにエクストラな回答が共感できた時、「私のこと分かってくれてるんだ!」なんて、すごく嬉しくなるのだ。

 ・・・って、こういう感覚を人に話すと、「はいはい、あなたは歌がトホホでマイナーなC級アイドルが好きなんでしょ」的にあしらわれる事が多く、それも違うんだけどぉぉぉ・・・と、白戸修風(笑)に困ってしまう。あ゛ー、このバランス感覚、伝わらないことが多く“ほんにじれったい”!

 とにかく、後ろには後ろの良さがあるのだ。(なお、今回のタイトルは、畑中葉子風。「後から前から」と同じくらい「Solitude」あたりも好き!)