T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

175・一つ先まで考えてみて

 普段、メーカーさんと話をしていると、時々、「Amazonに説明を出しておけば、勝手に売れるから」と言われることがあり、その度に♪違う違う、そうじゃそうじゃな〜い〜と鈴木雅之の歌と共にキュートンのダンスが脳内に駆け巡る。

 確かに、最終的に売れたのはAmazonかもしれないが、それは各ブログで口コミされたアフェリエイト広告を経由していることも少なくないはずなのだ。かくいう、前世紀ライク(汗)なうちのサイトでも、宏美さんの紙ジャケの総売上の2%前後は売れていて、特に発売から1年以上経過してからは、Amazonでの売れ方と、うちのサイトのアフェリエイトの動きがほぼ同期していて興味深かった。だから、Amazonだけやっておけばいい、というのではなく、正確に言えば、Amazonでレビューなり、アフェリエイトなりしたくなるような、魅力的な作品であることや、面白いプロモーションがされていることが大事なのだ。

 と、そんなことを言っている私も、実に短絡的で、例えば、執筆に必要な資料を請求しても、なかなか届かない時に、「あーあ、嫌われてしまったな」と思って、その担当者の名前をアドレスから削除したら、実は発送時のトラブルだっただけとか、プロジェクトの立ち上げ段階でボランタリーな仕事が続いた時に、これはタダ働きばかりだ、と思って途中で投げ出してしまった(一番ダメなパターン!)とかが、ほんの数年前まであったのだ。

 そういえば、こんなこともあった。今から20年近く前、就職間際に行った車の免許合宿で、タコ部屋級の格安コースを申し込んだはずの私が、なぜかスタンダードな少人数部屋の宿泊だったのだが、後で係りの人に聞いたところ、隣の部屋のある男子大学生(確か当時、上智大学3年と聞いた。つまり3つほど年下の人)が、「あの人(=私)は、繊細そうだから、タコ部屋だと問題が出ると思います」的なことを言って、掛け合ってくれていたそうで、そのお蔭で、集中できる環境が得られ、意外と早く試験をパスできた。(タコ部屋の方は、連日酒盛り&麻雀で宴たけなわだったそう。)これも、自分では「あれっ?なんか想像以上に快適だな〜」とのほほんと過ごしていたが、実際には裏で(無償で、しかも私に恩着せがましい発言もなく)交渉してくれていた人がいたなんて本当に驚く。当時は、少し感心する程度だったが、今考えたら、もっと感謝すべきだったと後悔している。今からその気持ちを伝えようにも、連絡先も分からない。

 だから、もし、自分にとって良い事や悪い事があった時、一つ先に何かがある、もしくはあったということを性善説で考えてみれば、意外と人生もっと豊かになるかもしれないな〜なんて思います。いえ、これは誰かへのお説教ではなく、間違いなく自分の備忘録です(笑)。