T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

209・“COOL JAPAN”難民

 音楽市場をあれこれ分析したり、音楽市場を率先して動かしている人達を取材したりと、日々お仕事しながら勉強している私ですが、“COOL JAPAN”と呼ばれる音楽−具体的には、アニメ音楽、ゲーム音楽、ビジュアル系などの−分野について、心から「100%・・・SO」と言えない自分がいる。

 いや、アニメ系でもKalafina春奈るな水樹奈々(みんな「な」終わり、ちなみに私のCD棚特別枠は中島みゆき中村美律子中森明菜中原めいこ、ついでに奈保子さんと「な」繋がりが多数(笑))などボーカリストとして好きな人は沢山いるし、あと作詞家の畑亜貴の歌詞の詰め込み方や中毒性なんて、その才能に惚れ惚れしちゃうし、Sound Horizonのあの1曲に対する熱量とか緻密な構成力とか半端ないし、ビジュアル系でもジャパメタのギターソロの唸り(笑)とか歌謡ロックっぽいベタさ加減とか大好きなので、そのジャンルだからといって全否定している訳ではない

 ただ、アニメしばり、ビジュアルしばり、ゲームしばりで出てきた音楽だけを、「日本代表」みたいに紹介されるとすごく違和感があるのだ。私の中で、そういった日本代表は、ミスチル、桑田/サザン、ドリカム、いきものがかり宇多田ヒカルなど、自分の好みとは関係なく、幅広い年代に支持されうる人達なので、その“COOL JAPAN”の話題になると、どこか「あぁ、正解はそこにあるのだな」と、傍観している自分がいる。つまり、ここでも私ははぐれているのだ(笑)。

 しかし、由紀さおりの世界的ヒットで、“歌謡曲こそCOOL JAPAN”なんて別の流派まで現れたことで、今後広がるかもしれないし、色んな音楽が世界に広がればいいなと思う(実は、次は岩崎宏美で、みたいなムーブメントが生ずればいいな、と勝手に妄想するほど)。こういう見えないものを、心に宿しながら仕事をするのと、ただ単に流行だけを追って仕事をするのとでは、全く異なるので、まずは思うことから始めたい。