T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

224・もはや“何でもあり”チャート

いつもoriconとサウンドスキャンの両方の数字を見るようにしていて、両社が大きく乖離する時、それは特定の場所でしか買えない、つまり大衆的なヒット感を表さない限定盤であることが多いことは、以前にも書いたようにも思う。

その中で、KAT-TUNの最新作「TO THE LIMIT」が初動で約5.6万枚もoriconの数字が高かったので、これもいつものように事務所兼レコード会社の限定品だと思って、公式サイトを覗いてみたら・・・唖然とした。

販売期間は、6/13〜6/18商品発送は7/4となっているのだ。ちなみに、この商品の発売日は、6/27で、oriconの初動の高さから、この限定品の売上げが6/27分集計に加算されたことが分かる。(ただし、oriconには6/27と7/4の2通りの発売日が記されている。)

つまりだ。その商品についていつ集金しても、いつお客さんに届けても、自由な発売日を設定し、そこに上乗せすることが出来るようになったのだ。これまでLIVE会場で予約金を集めておいて発売週の売上げを一気に高める方法は、他のアイドルでも見られたが(確か、ユニバーサルがももクロで発明したのだと思う)、今度はその上を行く「いつお客さんに届けようが、発売日はここ!」と言ってしまえば、それが通ってしまうようになったのだ。

同日発売の少女時代に負けない為に、どうしても初動を稼ぎたかったとはいえ、もうoriconチャートはエライとこまで来ているんだなとあらためて思った。

ちなみに、KAT-TUNのこの作品の売上げは、1週目 15.6万枚(1位) → 2週目 0.8万枚(14位)となっているが、もし5.6万枚が2週目だったら、1週目 10.0万枚(1位)→ 2週目 6.4万枚(ハイレベルで5位、翌週なら3位レベル)となって、2週連続上位となって、これ、もしかして良い作品では?と聞くキッカケになったようにも思う。実際、彼らって、物凄くエッジの効いたものを2作に1作の割合でぶつけてきて、実はアンチ・ジャニーズこそ好きになりそうな作品が多いなぁ、と感心するのに。なんだか、複数種で中身が見えないからと何でもありなチャートを見るにつれ、長年のチャートファンとしては心中複雑になる一方だ。