237・敵でさえ学びあり
その人は、いつも基準が相手にあった。
自分より学歴が高い人の話には耳を傾け、自分より学歴が低い(とその人が判断した人)には耳を貸そうともしなかった。
自分のいる会社よりも有名な会社の人の営業には愛想よく接し、無名(だとその人が判断した会社)の人には露骨にぞんざいな態度だった。
女性社員に分からないことを聞かれた時はデレデレと教えたが、男性社員(の若手)の場合には、厳しい態度で固辞した。
その人からは、何の改善提案も聞いたことはなかったが、既に出来ているものに対しては超一流の批判を示し、自慢げだった。
私自身、当時はその人のことがすごく苦手で、きっと今でも苦手だろうが(笑)、私が立ち向かうべき“敵”を一人で何役も演じてくれたことで、物凄く勉強になったことが、今ならば分かる。やはり、人生は学びの連続なのだ。