T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

288・「エイジフリー」≠「エエ爺フリー」

 昨日は、あるメーカーの社長さんに取材させていただいた。上層部に掛け合える滅多にない機会だから、取材ついでに「御社の企画料のギャラ、ちょっと安すぎでは?」とか「コンピとか復刻盤の出荷数、絞り過ぎでしょ??」とか日頃の恨み辛みを言いたくもあったが(苦笑)、

「“大人の音楽”って限定せずに、全世代に受け入れられてこそ、エイジフリーだ」

というご意見に、すべての不平不満がぶっ飛んだ。そう!これ、私がずっと言いたかったことなのだ。日本レコード協会が助成する「大人の音楽」キャンペーン内で某T澤I誠先生が提唱する「エイジフリー・ミュージック」。その例として、秋川雅史、すぎもとまさと、秋元順子坂本冬美、そして由紀さおりを挙げているけれど、これって皆、50代・60代から「どうだ、若い子も聞けるだろう?」という“エイジフリー”であって、すごく一方通行、もっと言えば自己都合な発言だと思っていたのだ。なんか、それだけを語るのって、ちょっとずるいんじゃないかと。エイジフリーじゃなくて、エエ爺がフリーになった気分でいるだけじゃないかと。

そうじゃなくて、例えば、いきものがかり「ありがとう」とか、斉藤和義「ずっと好きだった」とか、JUJU「やさしさで溢れるように・・・」とか、若者からエルダーに向けての逆方向も含めて、エイジフリーとして、幅広い層が楽しめる、ヒットチャート上にて音楽が空洞化しない為のヒット曲を提唱すべきではないかと、ずっとずっと思っていたのだ。

もっと言えば、そういった楽曲は00年代前半なら30万〜50万枚クラスのヒットをして然るべき楽曲なのだ。つまり2010年前後から、既におかしくなってきたのかもしれない。

ともあれ、そういうのが分かってもらえるだけで、凄く嬉しくなった。私という人間は、こんな音楽へのこだわりを理解してもらえるだけでも、幸せになれるオメデタイ奴なのです。

注:ちなみに、私のブログにたまに出てくる富○一○先生ですが、氏の前向きな姿勢自体は、むしろ好きなのです。ただ、あからさまな フォーク>>歌謡曲 という格付けや、上記のような姿勢などにアレルギーを起こしてしまうのです。大先生なのですし、自分のルーツであるフィールド以外からもモノを見つめてほしいのですね。無論、これは音楽に限ったことではありません。

あー、はやく『常夜灯』のブックレット、隅々まで読みたい〜。(仕事が終わらず、積読状態になっています。)