351・髪に思い上がる(笑)

半年ほど前の出来事。ある休日、近所を歩いていたら、中年男性を呼び止めては、その頭髪量を前頭部/頭頂部/後頭部に分けてモニタリングするという調査募集をやっていた。個人情報とか機密保持契約とか関係なく、単純に統計処理する感じだったのと、私は頭髪面はさほど問題ないだろうと思って受けてみた。

モニタールームに入ると、調査員らしき人が男性の頭を触っては、
「１、１、１！」
「２、１、１！」
「３、１、２！」

と次々と判断して、それを書記係が記入するという光景が見られた。その対象者の様子から、きっと薄毛度を5段階で判断しているのだろうなぁ、それにしても、ツルッツルの男性を指して「オール１！」と大声で叫ぶ調査員と叫ばれる対象者、どっちの役にもなりたくないなぁ、私がその髪型だったらまずここに来ないなぁ、と思いながら、あぁこの調子だと自分は「５、４、４！」くらいかと思い上がって（笑）受けてみたら

「４、４、３！」

と判断された。前と頂は「やや多い」程度で、後ろは「普通」だったらしい。まぁ悲観することではないのだが、期待値を下回っていてやや衝撃。・・・ということは、この数年後、「１、２、１、２」とチータよろしくマーチのリズムを刻みそうな予感。いえ、薄毛にも「ブルース・ウィルス」路線という華麗なダンディ・コースもあるので、それ自体悲観はしていないが、私の場合、苗字が苗字なだけに名刺交換後の一瞬の沈黙が怖いので、ちょっとあらためてヘアケアせねばと思ったのだった。

ジャケット写真は、中島みゆき「髪」（グラシェラ・スサーナに提供）をカバーした柏原芳恵『春なのに』（1983年）。17歳にして、ヘビーに歌いこもうと懸命。作家との相性は良いが、この選曲はやり過ぎだと思います（微笑）。