T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

465・おめでたい“時代おくれ”

時代おくれ

いやぁ、またもやらかしてしまった。まともなサラリーマン生活を離れて11年半。ずっと忙しく、まとまった休みもなく過ごしてきたから気付かなかった。

私は、ずっと「マーケッター」「マーケティングアナリスト」と名乗りつつも、その多くの方が見つめている「市場の最前線」ではなく、むしろ「翳りを見せはじめた市場」ばかりを対象としてきたのだ。勿論「市場」には変わりないのだが。

一部の人から「音楽自体、全部斜陽だろうが」と分かりきったように言われるかもしれないが、それは全くの誤解で、その中でも、盛り上がっているジャンルやアーティスト、販売形態、興行形態は必ずやあるのだ。と、ここまで噛み砕けば、誰だって一つや二つ盛況なジャンル、グループ、イベント、販売方法は思い浮かぶだろう。しかし、私の主戦場はそこではない。

活字媒体での執筆にせよ、CDパッケージの企画・監修にせよ、CDショップのコンサルにせよ、私に依頼が来た時は、遥かにそれぞれの一番良い時期をとうに超えていた(苦笑)。前年比80%〜90%で、100%の結果を出してもそうそうに褒められない分野ばかり。それでも、期待値を上回る結果や、結果まで行かずとも考えるキッカケのデータを作ることで一目おいて下さる方がいて、次の依頼が来るというくり返しだった。

そして、2015年6月に、3つの大手サービスが始まって、日本ではもう「音楽配信サブスクリプションハイレゾ型ダウンロードに二極化していくだろう」と音楽やITの評論家たちの誰もが同じ見解を示す中で、私が1年前から依頼いただいているのがごく普通のダウンロードサービス。しかも、この世間の思惑とは裏腹に、順調に売り上げを伸ばし、まだまだ止められることなくお仕事を頂いている。(無論、私のチカラは微力で、私を使って下さる方々のご尽力があってのことです。もうそれくらい分かる年齢です(笑)。)

こうやって逆境の中からヒントやチャンスを見出していくというのも、いかにもポテンヒット人生の私らしい(笑)。これも、また河合奈保子ファンとしてのリベンジ根性なのか、それとも逆境に強い中島みゆきのファン効果なのか分からないが、音楽が思考の支えになっている事は間違いない

だからもし、これを読んで下さっている方が、自分は最先端じゃない部署や場所に飛ばされたとか、もう頑張れる歳じゃないとか感じることがあったり、テレビでのミラクルな逆転劇を観て、「そりゃあたまに起こるミラクルだからTV化されるんだよね」とかでため息ついたり、という時には、私のようなただの「時代おくれ」な変わり者でも、チョコチョコと役立っていれば、思わぬところから注目されることもあり、必ずと言って良いほど報われるということを、心の片隅においていただければ嬉しいです。というか、私自身が忘れないようにしなきゃ!(笑)

なんかあらためて、自分の塵積(ちりつも)人生を垣間見た気がしました。

でも楽しいです。だからオメデタイ