T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

466・チャッカリなサブスクが怖い

PLAYBACK(初回生産限定盤)(DVD付)

今、話題のサブスクリプション音楽配信サービス(定額聴き放題)。詳しく知りたい方は、2015年7月7日放送のNHKクローズアップ現代』の放送全文をお読みください。すごく面白かったです。(ヒット曲の基準を、オリコン単眼で見ていたのは、とてもつまらなかったけれど、あとは大抵納得。ピーター・バラカンさんに拍手喝采!)

で、どんな楽曲が配信されているか/されていないかチェックする為にもとりあえず無料期間のうちに登録だけしておいた。

で、先日、今テレビやラジオでしょっちゅう流れている夏のアゲアゲソング、JUJUの「PLAYBACK」が気になっていたので、あるサービスで探してみた。

ら、案の定、トップページに紹介されていてクリックした。うわぁ〜、この夏だ!好きだ!そら行け〜!みたいなあえて蓮っ葉なアゲアゲ感も含め完璧。お見事な仕事ぶりと感心していた。

ら、カップリングの曲も次々と流れるじゃないか。いや、新しい音源が聴けるのは本来嬉しい事だけど、正直発売日にして、全部タダで聴けちゃうのは、これを創作し、録音し、マスタリングして仕上げたアーティストやスタッフたちの苦労を考えると、さすがに失礼でしょう???と思って、あえて聴くのを止めた。

が、勿論、この歌が、嫌いなんじゃない、むしろ、大好きだから、自分がタダでズケズケと入っていく感覚が気持ち悪かった。このサービスでは、私の嫌いなチャッカリ(こちらを参照)が出来ちゃうんだとあらためて実感した。私を含めサブスクのヘビーユーザーじゃない限り、少時間であれば今後もタダで聴けるのだろう。でも、それは何だか気分が乗らなかった。こんなノリノリの曲なのに。

で、人によっては、「昔のラジオもタダ聴きじゃないか?」と言う。いやいや、昔のラジオは、音質も悪くて本物の音源より劣るし、それを録音などする為に、その時間拘束されたし(後日タイマー録音などはあったが、プレゼントやリクエストは生電話応募だったりした)、何より番組パーソナリティに愛はあるし、タダで聴いて終われるものじゃなかった。もっと好きになれば推薦されたレコードやCDも買うし、ラジオイベントにも交通費を出して参加した。それが当然の流れとして楽しかった。

が、それに比べ、こちらのタダ聴きは、低音質でもノイズはないし、いつでも聴けるし(むしろ聴け過ぎるし)、プレイリストはあってもパーソナリティとかじゃなくて、何かどこかの「まとめサイト」のパクリみたいな感覚だし、、、ちょっと薄気味悪くて怖い。いや、この何でもパクって「楽しければいいじゃん」って平然としているのが、今の正しい姿なのかな。私、昔からそういうチャッカリ君、いちばん友達になりたくない遠い存在で来たのに。

ということで、本当にこのサービスは、どうなっていくのかますます不安になった。やっぱり、所有するって大事なんじゃないかと思った。(注:これは2015年7月の考えであって、時間が経てばどうなるのか分かりません。)