T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

154・善意で見れば善意が還る

 ネット検索していたら、岩崎宏美さんが、あるTV番組で桜田淳子さんの悪口を言ったとか言わないとかがゴシップ系のニュースで書かれていて、そこからニュース速報系掲示板に飛び火しているのを、さらにバズ広告の要領で拡散しているサイトが引っかかった。(今の世の中って、こういうニュース、恐ろしく拡散するのね。。。)

 10代の頃、恋愛話を楽しくしていたところ、淳子さんがアイドルのイメージを守るために話に水を差し、それに対して宏美さんがキレたというエピソード(番組では更に山口百恵さんが大人な発言をしたことが本題だった)で、その読者からは、宏美さんが性悪だとか、淳子さんがカマトトだとか双方の悪口が飛び交っていて、うーん、30数年前のエピソードをコミカルに話しただけで、ネガティブな感情までわざわざ蒸し返さなくても・・・と正直思った。(それをしてしまうのが、アイドルファンの悲しい性なのだろうか。。。)

 宏美さんにも淳子さんにも、仕事で複数回お会いした私が察するに、これらの発言はどちらも二人のキャラ通りで脚色もないものと思われるが、今ではこんなことで決して仲違えしていないと思う。なぜそう確信できるかと言うと、お二人とも、これとは別の機会で、互いをすごく評価しているエピソードもたくさん話されていたからだ。

 また、今回の記事を読んで、このお二人の発言は、それぞれに個性的で、善意を持って接すればものすごく的確なのに、悪意を持って接すれば、非常にネガティブに取れることがあるかも・・・と思ったのだ。(まさに、ゴシップ好きの思うツボ!)その具体例を、私の体験談で示してみたい。もしどちらか一方を悪く思っていた人がいたら、これを読んで両者の良さを理解していただければ音楽ファンとしてはとても嬉しい。

 私は、2007年の秋ごろ、桜田淳子さんと初めてお会いした。アラフィフとは思えない淳子さんのちょっとした仕草や振りまく笑顔に、本当にこの人って天性のアイドルなんだなぁって、思ったものだ。そして、特典CDの内容について、10分ほど話していると、淳子さんが私に

「臼井さん、関西(出身)なの?」

と尋ねたのだ。私が「えぇ」と肯くと、

「人によっては、“関西人は〜”って偏った見方をするから、仕事の時は標準語の方がいいかもしれないわね。」

と、明るい口調ながら大きな目でアドバイスされたのだ。私は、普段の生活ですら、ほぼ初対面の人からアドバイスを受けたことなんてなく、本当に驚いた。

私も冒頭のように10代だったならば「初対面なのに随分入ってくるなぁ〜」とショックだったかもしれない。
 しかし、この歳になると、注意することの難しさや有難さが身に沁みているので、その淳子さんの発言には本当に感心した。

 そうなのだ、淳子さんは、ともすると場の雰囲気が変わってしまうかもしれないのに、相手を思いやるあまり正義を貫く人なんだと実感した。
 実際、あの特典CDのレコーディングだって、どうせコアファン向けなんだから、ともっといい加減に作ることもできたはずなのに、微妙な発音の違いに納得がいかず、何度も何度も録りなおして、最後に完成した時は、初心を思い出して泣いてしまわれていた。

 他方、宏美さんは、宏美さんで、数十分話しただけで、私に「使えるオタク」という素晴らしいレッテルを貼って下さり、それで取材の場が笑いに包まれたのだが、これにしても、もし、私が若くて、自分にコンプレックスを抱いていたならば「笑い者にされた〜」と内心傷ついていたかもしれないが、場を盛り上げるために“笑える褒め言葉”をおっしゃったのだし、これはこれで大正解で、現にその「使えるオタク」発言を知る方からは、その後、仕事をいただいたりして結局は物凄くプラスに作用している

 ということで、本来、好意を持っている人から、「おやっ?」と思う発言が出たら、一度、善意のフィルターを通して、反芻してみると良いかもいれない、というお話でした。物事って、どうしても2通りに取れてしまうけれど、特にそういったタレントさんの発言は、善意で解釈したら、きっと何かしら得るものがあるので(だって、そういった膨大なコミュニケーションの中で勝ち上がって来た人達なんだから)、どうぞご参考ください♪