T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

137・ちょっとだけ素直

 明けましておめでとうございます。本年もどうぞ素敵な音楽を一緒にお楽しみ下さい。

 昨年は、CD企画が多かったような・・。岩崎宏美さんの復刻完全制覇達成が年の前半にあって、後半は『COVER』が当たって・・というか、昨年は6作のカバーコンピ、2万7千字のライナーノーツを担当した『Dear Friends BOX』もカバーだし、提案した佐良直美さん『ゴールデン・ベスト・デラックス』もカバー10曲入りと、カバーばかりで1年過ごしていたのですね。まぁ、でもこれは10代、20代の頃のマイ・カセットの延長で出来た仕事のようなものだから、有難いと思わねばなりません。その一方で、他の方の企画で、コンピでも100枚前後しか売れないというのも出てきたので、音楽によるパッケージ市場を模索しつつも、楽曲を収録すること以外の工夫も試みていかねばな〜とも思います。“握手券”とか“同じもの3枚同時購入でプレゼント”というのは、私の仕事では応用できないので(苦笑)、ちゃんと考えなくては。

 ところで、昨年、多分5,6年ぶりくらいにカラオケスナックに行って、久しぶりに顔見知り以外の人がいる前で歌いました。そこで、「声が良いですね!何か音楽関係の仕事でも?」と言われたのですが、歌声を出して飯食っている訳でもないので、照れながら否定して、ふと思い出した。

 そう言えば昔、同じことを言われた時、なんだか嫌な気分になっていたような・・・・・・・・。そうだ、知らない人の前で歌う度、よく声ばかりが褒められて、自分としては「歌が上手い」と言われたいのに、まるでそれは「声は良いけど、歌がアレだから、活かしきれてないよね〜」と言われているようで、なんだか気持ちがジュクジュクしていたのだった。

 でも、考えてみたら、私自身も自分(172cm)よりもノッポさんに出会うたび「背が高いですね、いいな〜」と言うけれど、「背は高いけど、顔はアレだから、全体としては人生負けてるよね」とか「給料もその身長くらい伸びればいいね」とか一切考えたことなどなく(←いえ、考えていそうなキャラだとは言われますよ(笑))、ただただ背の高さからスリムに見えたり、体重もある人ならより大柄で逞しい感じで見えたりが羨ましいな〜と思っているだけなのだった。あぁ、10代・20代・30代と私を褒めてくれた貴重な人たちに、苦い顔をせずもう少し素直に「ありがとう」を伝えていても良かったのでは!!!

 ということで、今さらジローではありますが、今年は、人の善意を、もうちょっとだけ素直に受け止めれれたらな〜と思います。とはいえ、私がお仕事をいただくのは、人が見ていない部分の分析とか、そんな切り口でのCD企画とか、チャートマニア的な連載とかなので、そのヒネクレ加減はそうそう直りそうもないので、それを認めつつ、メジャー思考の人たちのセンスも学べればいいなと思います。例えばサザンなら「TSUNAMI」が流れた時のお茶の間での煌めきは、ファン投票1位の「希望の轍」では絶対に出せないし、やっぱりどの分野でも“軸”ってありますよね。どうぞこれからも、あれこれと基本的なことをご教示くださいませ。宜しくお願いいたします