T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

472・岩崎宏美 40周年感謝祭

MY SONGS (40周年記念感謝盤)

10/10、ヒロリンこと岩崎宏美の『40周年感謝祭 光の軌跡』の見学で、東京国際フォーラムまで行ってまいりました。いやぁ、今回は本当に素晴らしかった、本当に心から楽しめました。御礼にもう何枚も持っているCDをあらためて買おうかと思ったほど(笑)。

今回は、40年間を総括したベスト・オブ・ベストな選曲で、MCもとても面白くて、万人が楽しめる内容になっていたことも大きいのですが、何より表現の幅がさらに広がっていることに感動しました

ここ10年程の宏美さんは、体調との闘いがあったと思うのですよ(しかも、5年程前は、歌詞記憶との闘いも加わり、本当に毎回ハラハラでしたが、こちらはプロンプターの導入で解決)。それは歌謡コンサートのようなTVでの1曲勝負の時に、「あぁ、本当はもっと上手なのに!」と歯がゆい想いをすることがあり、けれどLIVEでは前半に体調が悪くても、後半に向けてギアをかけて凄まじい絶唱をしたり、本当に淋しさや悔しさを滲ませた哀しい歌声だったりで、これはこれでプロの一流の歌手の矜持を見せてくれました。つまり、この試練があったからこそ、様々な表現にトライできたのでしょう。

だけど、今回のヒロリンは、声の調子がすこぶる良かった。穏やかなミディアム調での優しい歌声も、壮大なスロー・バラードでの熱唱も良かったけれど、何より目からウロコだったのは、初期楽曲でのボーカルが随分と可愛らしくなっていた点で、それが大きく広がりを見せたと思います。宏美さんといえば、77年の「思秋期」以降、年齢以上に大人っぽい歌い方にシフトしていったと思うんですよ。だから、「檸檬」や「夏に抱かれて」、「すみれ色の涙」あたりは、もしかして今の方が、主人公の若々しい気持ちを体現できている気もしました。

また、宏美さんの歌声が進化しているのを確信したのは、戻ってから『MY SONGS』のDisc2の前半を聴き直してみて、違和感を覚えたから。「あぁ、今だったらもっと上手いのに!」と思った曲が何曲もありました。2010年の『Dear Friends BOX』のインタビューでディレクターの湯田淳一さんが「35年歌ってきた人が、まだ進化しているんです」と仰ったことが、さらに続いているなんて!岩崎宏美様、恐れ入りました!

そんな感動の渦に飲まれ、これからもファンでいようとあらためて思った次第です。ただ、私が親衛隊の方々を凄いな〜と感心する一方で、ちょっと自分にはできないなーと思うのは、 「ヒロミちゃーーん!」と声をかけることです。だって、“宏美さん”、“ヒロリン”と呼ぶことはあっても、“ヒロミちゃん”って、まったく結びつかなくて。“ヒロミ姐さん”の方が、まだ私の中の岩崎宏美に近いなぁ(笑)。でも、今回のように歌声も可愛くなられたから思い切って「ヒロミちゃーーん!」と呼んでみるべきか。ともあれ、LIVEで化けるあのカラフルな歌声はこの「ヒロミちゃーーん!」コールの魔法も加わっているのは間違いありません!