T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

460・ヒロリン40周年

MY SONGS (40周年記念感謝盤)

今週は、岩崎宏美さんのデビュー40周年を記念したセルフカバー・ベストアルバム『MY SONGS』が発売となる。

10周年の『I WON'T BREAK YOUR HEART』とまる10年経って発売された『戯夜曼』
20周年のカバー&セルフカバーの『MY GRATITUDE』とオリジナルの『FULL CIRCLE』
30周年の『Happiness』とシングル「ただ・愛のためにだけ」
(さらに5周年、25周年、35周年も動きはあったが、ここでは割愛)

と過去を振り返ってみると、実に多彩かつ多才で、やっぱりこの幅広さこそが岩崎宏美の魅力で、いちアーティストの幅広さを堪能したい私がのめりこんできたのはここだとあらためて納得した。

また、これらの作品は、いずれも現状を打破しようと闘って作られた作品なんだなと思い、そしてやはり私は闘って作品を発表できるアイドル出身歌手が大好きなんだなと強く感じた。(アイドルがアーティストになろうという時点で、既に闘っているし。)

その一方で、“闘って作られた”アルバムは、宏美さんの『FULL CIRCLE』にせよ、工藤しーちゃんの『Expose』にせよ、早見優さんの『WOW!』にせよ、ご本人たちの話を総括すると、闘ったという事実が、その闘った結果生まれた作品以上に記憶に残っているようで、落ち着いて聴いていられないというイメージを受けた。(無論、それぞれプロの歌手なので、各作品を否定するような言葉は使われないが)

その反省を受けてか、ヒロリンの40周年のアルバムは、ここ数年のコンサートに行っている人ならばすんなり受け入れられそうな、音に仕上がっていると思った。先のツアーのリクエスト投票を大いに参考にしたという選曲も、ほとんど裏切りが無い。正直、「闘いのアルバム」が好きだった私としては、もう一歩変化球が欲しいなと思わなくもない。

しかし、ヒロリンのこの15年程は持病や体調との闘いがまずある人生だっただろうし、そこでまた闘う作品を作るというのは、しんどい作業であり、また本人も近年のファンも安らげないのだろうという判断があったのではないだろうか。

そう考えると、この穏やかで健やかに笑って生きていたいと願うようなシングル「光の軌跡」とアルバム『MY SONGS』は実に良い作品だと思う。特に「光の軌跡」は最初、うわぁ〜なんというか。。。やや予定調和な。。。とファンながら思ってしまったが(ごめんなさい)、何回も聞くと今後コンサートの要所要所で必ず歌われそうな今の岩崎宏美を体現しうる説得力のある作品になっていると感心した。

そんな訳で、この作品は安定したビッグヒット・アーティストが好きな幅広い人にオススメ。きっと、岩崎宏美ファンじゃない人に贈ってもとても喜ばれるんじゃないかなぁと思います。セルフライナーノーツも相変わらず冴えています。どうぞ15年分のシングル集もついている2枚組感謝盤でどうぞ♪