T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

426・ソワレ/河合奈保子を唄う

河合奈保子 / ブックエンド(オンデマンドCD) [CD]

昨日、4/25は、渋谷のSALAVA東京で、『ソワレ〜河合奈保子を唄うvol.2』に行ってきました。詳しいレポートは、例のごとくMARUさんの『TEAROOM☆NAOKO』をご覧いただくとして(と勝手に振ります(笑))、まぁ私は自分自身が感じたことなど。

ソワレさんは、シャンソン歌手・・・というか、歌っている曲想がシャンソンなだけで、その歌唱法はシャンソンを超越しており、彼をカテゴライズして説明することは難しいのですが、河合奈保子の近年の企画盤の各解説や選曲をされているほど造詣の深い人ということは確実に言えます。ゆえに、例えば、他のアイドルトリビュートあたりだと「スマイル・フォー・ミー」や「ラブレター」、「けんかをやめて」などパブリック・イメージ通りのドリーミーなポップスが披露されるところ、ソワレの場合は、「エスカレーション」以降は勿論、自作期のシングルもあり、アルバム曲もB面曲も、例のごとく女性のオリジナルキーで聞くことが出来、相当マニアックな奈保子ファンでもその選曲に満足できるはず。しかも、ソワレはAメロの低音がかすれていても、サビのより高音でクリアで豊潤な声になるという特異体質(?)なので、奈保子さんの吼え系のハードポップも絶品。

私個人は、前回のvol.1は「月影のふたり」や「クラブ・ティーンネイジ」、今回は「Twilight Dream」や『ブックエンド』(冒頭ジャケット写真)収録の「風に吹かれて」「今日を生きよう」あたり、奈保子さんが復帰しない限り一生LIVEで聞けないと思っていたせいか、何だか色んなことを想い出してじーんとしました。特に88年以降の曲は、素晴らしい曲もあったのに、どんどんセールスが下がっていったこと、長らくオリジナルアルバムが止まってしまったこと、ファンクラブに入会したのに、会報がほとんど止まってしまいお知らせのハガキか封書だけになったこと、その中で毎週FM誌や音楽情報誌、更にはCDショップの新譜注文書を覗いては、新しい活動がないかチェックしていたこと、そんな記憶が一気に蘇ってきました。でも、この時のやるせない想いが、その後の私のリベンジ魂に大いに影響し、今はライフワークとして業界内のあちこちからそこを求められているので、あの頃はあれで良かったのかなと思ったり。とにかく、そんな奈保子メモリーズが鮮明に蘇るほど、完成度の高いLIVEなのです。ソワレの声は、正直クセはあるけれど、聴きなれると、なんともスムーズに心に浸透するので(それはやはり奈保子リスペクトがある為)、このカバーLIVE、一度聞いておいてバチは当たりません。

なお、昨日は、NATURAL&MILKの宮島律子さん、宮島理絵さんにも当時のお話をうかがうことが出来て嬉しかったです。さらに、宮島律子さんは今年、岩佐美咲のヒット曲「鞆の浦慕情」の作曲、理恵さんはともさかりえの「エスカレーション」の作曲(ともに作詞は秋元康。ちなみに河合奈保子の同名タイトル曲は特に意識せず制作したそう)など、その後のご活躍についてもお話が聞けてよかったです。

ソワレの奈保子トリビュート、次回は秋か冬かに開催されるのかな〜と、またまた期待しております。ちなみに、ソワレの最新作『ヘイ!シャンソン』 も発売中。これも、ダブサウンドで「けんかをやめて」がアレンジされていたり、南国を舞台にしたシャンソンだったり、つかみどころのないソワレを斬新にプロデュースして、いっそうつかみどころのないものに仕上げた不思議な作品。とはいえ、決して意味不明な前衛的な作品でもないのが、ソワレマジックで、中森明菜『不思議』のように、これを聞かなきゃ一生出会えない音楽だと思います。それが2千数円で出逢えるのですから安いものです。よろしければどうぞ♪

追伸:昨日、ソワレから、00年頃公開していた全作品の折れ線グラフを網羅した「河合奈保子チャートのお部屋」を復活してみては?と言われたけど、当時はネット上の情報公開があやふやだったからやっちゃっていたけど、あれだけのチャート情報を現在正規でオリコンに掲載を申請したら何十万円とかかる為、個人サイトではできません(笑)。でも、あのページを作っていた時はまだ“つのはず誠”仕事は、私だと言ってなかったんだな〜と、また時の流れの早さに驚かされます。