T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

316・日経エンタ!新年号

日経エンタテインメント! 2013年 01月号 [雑誌]

 今年も日経エンタテインメント!1月号で執筆させていただきました。一時はデータのみを編集し亀田誠治さんに解説を譲ったり、TV班との共同で執筆しエンタメ感を助長したりした年もありましたが、これで8年連続の単独「年間チャート診断」となります。嬉しい!

 今年は、オリコンではAKB48関連とジャニーズだけでCDシングルチャートが埋め尽くされたことから、業界内外を問わず「ヒットチャートはぶっ壊れた」「もうヒット曲などない」という声が多数聞かれました。そこから派生して、「今の音楽はつまらない」「若い子に才能はない」という声も聞かれました。

 でも、それは違うんじゃないかと大いに疑問が沸いたのです。シングルがどれだけ売れたかが、「良い音楽」かどうかの基準なのか。例えば、90年代、ドラマ主題歌になるかどうかでミリオンヒットが左右されたけど、あの時代のあの枚数がヒットのすべてなのか、と。そんな昔ばかりを誉めて、現在の若い才能の芽を摘むような言動により、ますます日本を暗くして、いったい何の得があるのか、と。

 そこで、50P〜51Pの下段に、ダウンロード、動画サイト、歌詞サイト、有線リクエスト、カラオケの年間TOP10も並べてみました。ここで2部門以上名前の挙がった楽曲を見てみると、CDシングルランキングにはないのにヒット感のある楽曲が多数あります。『海猿』の主題歌として年中流れていたシェネルの「ビリーヴ」、CDではTOP20でロングヒットしたmiwaの新規路線「ヒカリへ」、ここへきてこっそり実力を上げている西野カナ「私たち」「GO FOR IT!!」、ゴールデンボンバー「女々しくて」などなど。他にも、きゃりーぱみゅぱみゅももいろクローバーZも何か所かランクインしていて、確かに「今年の顔」が多数垣間見れます。今は、単眼で悲観するよりも、複眼で良い部分をより伸ばし、問題点を改善しようと何度も試みて、ヒットの芽を育てていくことが大事なのではと感じています。

 このブログでしょっちゅう触れている河合奈保子中島みゆき工藤静香岩崎宏美も、私が今年よく聞いた竹原ピストルもamazarashiも登場しませんが(汗)、こういう見方もあるのだなというご参考ください♪