T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

484・メディア情報も複眼で(後編)

さて、昨日の続きです。

雑誌:とかく「雑誌はあてにならない」と言われ、私も相当なガセネタに「この“関係者が語る”って誰やねん(笑)」とツッコミを入れることも多々ありますが、私自身は日経エンタテインメント!で15年書かせていただいて、また他の雑誌でも「日経エンタ!的にお願いします」と言われることがあるので、他の執筆者よりもスキャンダル少なめです。芸能記事はさておき、私に限らず音楽記事は基本的にどこも善意発信が多いと思いますね。芸能記事の大半は・・・政治的な引力が往々にして働いていますからね(笑)。また、テレビや新聞ほど文字数がシビアではないので、図表などを書くと詳しく読み取ることができて保存版のものも多いです。但し、全媒体中、最も即時性が低いので、そのデータを扱う際、更新日時に注意する必要があります
ただ、これは実際に経験して痛感することですが、原稿の校正はパソコン上で眺めるだけじゃなく、ちゃんと紙に印刷して行わないと随分とミスが残ってしまいます。やはり、それだけ活字では読み取る力を発揮できるということなんでしょうね。

Web:そして、どの媒体よりも文字数に制限がなく、また記事依頼から短期間でアップされるという、総じて理想的なメディアにも思えます。記事の内容も、かなり硬いものから、近年急増するユルフワなものまで制限がないし、他のメディアのように「あれ書くな」「これ書くな」というコンプライアンス案件も殆どなく、校正で見落としても、後でこっそり訂正更新されていたりして、こちらが感心するほどです(Yahoo!レベルのトップ媒体でも間違った写真の掲載を何事もなくしれっと差し替えるなんて、他のTV・新聞・雑誌では有り得ない!)。

しかし、その一方で様々な問題を感じています。まず、総じて原稿料が安め。私が連載している媒体では、その大半で活字媒体並みに担当者様が調整して下さっていますが、他の某有名音楽媒体では1日、2日がかりの記事に対して5千円だったり、またある人気音楽媒体からは「修行の場だと思って、タダで書いてください」と言われ、即、断りました(笑)。いや、Webでは仮想敵が一般の方の、ノーギャラで素晴らしい呟きというのも分かりますよ。でも、それではWebライターは食べていけない→執筆本数を稼ぐ→テキトーな記事で文字を埋める、の悪循環ですやん。Webは、人を育てるという観点が他の媒体と比べて希薄な気がします。何から何まで自己責任、みたいな
その点について、編集部から「いや、それは自分でアフェリエイト広告をくっつけて稼げば」と意見されることもあります。で、それが過ぎてか、全くの部外者が、私が書いた記事をブログやYouTubeなどの動画サイトにそのままアップして広告収入を得ているのも、年に十数回見かけやれやれと思います。そのYouTube映像が数万PVとかになっているのを見ると、その人のチャッカリ感に唖然。(ちなみに私は媒体社からお金を戴いているので、それは出来ないし、いったん納めた原稿なので自分で削除も出来ません)そんなチャッカリさんとは、友達にはなりたくないな〜。(笑)

また、読み手の方にも善意が必要な媒体だと痛感します。時に、新聞や雑誌からWebに転載される事もあるのですが、その際にそのタダで読める部分だけを悪意にかいつまんで批判するのはどうなの?と思うこともあります。新聞や雑誌ならば脚注もあるのに、Webに転載される際にその部分が省略されていて、それを悪く捉える人もいて、げんなりします。今や2chの方がまだ大人で良心的かも。雑誌ならば誤解されてもご批判は受け止めようと努めます。お金を出して意見下さっているのだから
以前、こんなこともありました。Webに転載される際に、1位の現象が転載されず、2位から述べているように見えたらしく、私の学歴部分を引き合いに「こいつは東大に入れなかったコンプレックスから1位を無視するんだ」なんて書かれた時は、それはそれはゲンナリしました。学部によって大学の偏差値なんてまちまちだし(事実、理学部は当時、東大が最難関じゃなかったし)、いや、そんな問題じゃなくて、そもそも30年も前の限定的な能力基準を鵜呑みに生きているはずありませんて。

と、そんなこんなでメディアも複眼が必要というお話でした。というか、日常のどんな分野でも、結局そうなのかもしれませんね。まぁ、分かりやすい事例ということで(私が)。長文、最後までお付き合いいただき有難うございました♪