68・“チャッカリ”節
<1番>
最近、音楽アンケートをまとめていて、購入のキッカケが「タワーの店頭展開で見て」「新星堂のフリーペーパーを見て」等となっているのに、購入場所が「Amazon」となっている人が非常に多い。
・・・少しでも安く買いたいのは分かるが、自分を突き動かしてくれた人やお店で買おうと思わないのか。
感動をくれた場所を裏切ってまでの、たった数百円の節約がそんなに大切か。
学生時代、他人の答案用紙をカンニングして100点を取りまくったのか。
あるいは、金持ちに貢がせて作ったドレスで、本命の彼氏と結婚式を挙げたのか。
リアルな空間だけで閉じていたら、絶対に起こらないはずのことが、バーチャルな空間を一部に介しただけで、途端に人は冷淡になれるものだと思った。
たとえ、ネット上で誹謗中傷をして逮捕されないとしても。
<2番>
あるサイトで、“CDの感想大募集!”というのが実施されている。自分の感想をブログに貼り付けて、そのCDに関する口コミを盛り上げようという思惑は理解できなくもないが・・・・
さて。全く買う予定もなく、しかも、賞品の「プレミアグッズ」目当ての人ばかりが感想を書いたらどうなったか。結果、上滑りの美辞麗句のオンパレードで、案の定、これが実施されたとて、各種ネット通販ランキングはダダ下がりだ。(他の購入された方のブログがあったときは、こんなことはなかった。まさに“質>>>>量”)
はなから買う気がなく、じっくり堪能もせずに、ただ自分の得目当てで、または自分のブログカウンターの増加目当てで文字を羅列する。(先述の購入者アンケートやLIVE入場者アンケートは、手厳しい意見もあるが、説得力も強い。同じプレゼント目当てでもレベルが違う。)
こんなのは口コミとは呼ばない。ただの言葉の“ゴミ”だ。あらためて、「買う」「買わない」の違いを見せ付けられた気がした。
<3番>
ブログと言えば、レンタルユーザーの感想ブログも好きじゃない。およそ、借りる参考にはなっても、これを見て買う気には一切ならない。なぜならば、大人のレンタルユーザー(注:私は「音楽ファン」を「音楽ユーザー」と呼ぶ媒体は蔑むが、「レンタルファン」に関しては「ユーザー」が正しいと思っている) は、学生たちのようにお金がないからレンタルするのではなく、パッケージ購入のお金を出すほど魅力を感じていないからレンタルするのだ。学生時代、レンタルしていて、社会人になって購入に繋がる事はあっても、30代以上の社会人がCDレンタルしていて、次の作品からCD購入に繋がる事はほぼない。せいぜい、よほどお得なDVDがついていたり、解散総決算ベストが出たときくらいで、それはもはや「レンタル」のおかげではない。
とにかく、その程度のファンで、しかも“上から目線”だから、レンタルユーザーのレビューって☆5つなんて殆どない。買う気などないし、そこまで気に入っていないからこそレンタルしたのであって、そんな自分を正当化するためには、☆を多くつけてはならないもの。
特に、数万円の限定BOXとかシリーズのないコンピレーションCDを6作1000円とかで貸し出すって、出荷しているレコード会社もバカか??と思う。だって、BOXをたったの166円で借りて良かったからってその100倍前後の価格で買いなおすなんて有り得ないし、コンピだって、その作品が好きになったからとて、別に続編を次々と作るわけでもないし、借りて終りである。そして、非常に個人的なことを言うと、企画印税とはレンタルで何万回転しようと、企画者に1円もお金は入らない。
だから、せめて、限定とコンピのレンタルは、お金がないけど夢のある子供たちと無職の方限定としてもらいほどだ。
とにかく、世の中、チャッカリ、チャッカリ、チャッカリ・・・と、何も企業だけじゃなく、個人レベルでも効率ばかりが重視されている。
そのチャッカリは、本当に得をもたらしたのか。今一度、我にも問いたい。