T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

151・レコード屋チャコちゃん

 先日『スター誕生BOX』のDisc-4を観ていたら、萩本欽一さんが、ヒロリンについて「本当に気さくに僕のことをいつまでも、“欽ちゃーん”って呼んでくれるの、嬉しいな〜」と語っていて、ん?このエピソードどこかで聞いたことある・・・と思っていたら、飯田久彦さんの「私のことをいつまでも“チャコちゃーん”って呼んでくれるんだよ」と全く一緒。いやぁ、こういう裏表のないエピソードやトークが出てくるから宏美さんのファンって止められません(微笑)。

 そして、そのDisc-5では、2001年当時の飯田久彦さんもピンク・レディーについて「僕が思いつきでパっと(スカウトのプラカードを)挙げちゃった。(後付けで語られる戦略のような)大きな理由はないです。」とにこやかにご出演。感性だけで人を引っ張れるって、本当に尊敬!!

 そんな飯田さんのヒロリンに関するロング・インタビューは『Dear Friends BOX』のブックレットにて7ページにわたって掲載されています(聞き手はつのはず誠ちゃん)。2時間半ほどお時間をいただき、あれこれとインタビューした中で、出るわ出るわ名言の数々!特に、宏美さんの洋楽カバーに関して卓越した選曲センスを持っている理由で、「知識がなければ知恵は浮かばないからね」なんてサラリとおっしゃったのは目からウロコ。私、音楽業界に入った当初、その経歴から色メガネで「そんな知識ばっかりあっても、実行できなきゃ意味ないんだよね〜」と何度もイヤミを言われたことを思い出した。飯田さんならば、知識のある部下にも感性で勝負する部下にも適切なアドバイスをされ様々なプロジェクトを成功に導いたのだろうな〜。

 しかも、ライナーノーツの校正段階で自分の苦労話はバッサリと削除されたり、指揮する立場でありながら、あくまでもヒロリンをサポートしていた、という表現に変えられたり、ルックスがダンディーなだけでなく精神面も男前!こういう人こそ真のハンサムって言うのだろうな〜、いやぁ素晴らしい。だからこそ、周囲の人もついていって、ピンク・レディー岩崎宏美(2社に渡って)、松崎しげるSMAP河村隆一ソロ、BEGIN復活、大泉逸郎などなどヒットも続き、やはり“持っている人”にはそれだけの理由があるのだ。(それでも、セールス的に持ち直さなかった秀作の『アンバラ〜』や『アルテラ〜』は、余程のネガティブ要因が・・・(以下自粛))。
 ただ、もう何十年も前のことだったり、それまで手がけた名作が膨大だったりという理由で、アルバム全曲の詳細は飯田さんご本人も憶えておられないのだけれど、(先日、Amazonレビューを見たら、私が担当したライナーノーツは要らない内容ばかり、みたいに書かれていて心が折れました。その厳しさが、誰かへの優しさの反動であることを願います。)それでも、「学生街の四季」について、ちゃんとお考えが聞けたのはとても嬉しかった阿久悠先生も天国でお聞きになっているかな〜。

 という訳で、紙ジャケもROYAL BOXも売切れとなってから、なぜか私までお叱りを受けますが、『Dear Friends BOX』は、CDやDVDが勿論素敵ですが、ライナーノーツも“そうだったのか!”が一杯あるので、なくなる前にどうぞ。今、Amazonでも一部店舗でもセールされていますので、この機会によろしければ。あ、どこかで原稿まる写しとかは止めてね。。。