T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

188・見届けるならば「批判」も「愛情」

 仕事柄、アーティストや作品についての評判を検索することが多いのだが、時々、アーティストについてネガティブな発言ばかり書いてあるサイトにたどり着く。音楽って万人が認める100点満点が出せない分、また、誰もが語りたくなるような大衆的な存在だし、批判がすごくしやすい、というのは分かる。しかし、その人のプロフィールなどを読むと、「批判的な発言がありますが、あくまでも愛情です」と書いてあるのだが、どうもそのまま頷けない。それが、なんでかなぁ〜とあらためて考えてみたのだが、そうだ、そういう人のは例えば「○○は声が出ない」とか「○○は、以前の売上げの半分になっている」とか「元アイドル○○は、もう肌がボロボロ」とか書いてあっても、言いっぱなしで、その人が「高い声が出なくとも表現力が抜群に上がっている」とか「前の作品はセールスが落ちたが、コンセプチュアルで素晴らしい内容だった」とか「見た目は変わったけど、トークが面白く人間的に面白くなった」とか、そういった部分が全くないからだなと気付いた。批判する人が「愛情」だというのは、所詮自分への「愛情」であって、批判する対象には、何の「愛情」も感じられない。やはり、その人を見届けてこそ、その「批判」は「愛情」なんだと私は思う。そうでなければ、その「批判」は単なる「悪口」だ。そんなことを注意しながら、これからも生きていきたい。