199・“浪花節”人生、上等

　現在、ある新しい音楽系サイトの拡大のお手伝いをしている。活字媒体とWeb媒体、CDパッケージとデジタル配信など、そのバランス感覚を保てるよう基本的には慎重に取り組みたいのだが、そのスタッフの方が、技術優先ではなく、音楽にも愛あるサイトにしたいということに加えて、IT系人材では珍しいほど人情的な（悪く言えば“泥臭い”）プロフィールを持っていて、それが一気に引き受ける推進力となった。

　私は友達を見つける時も、仕事仲間を見つける時も、その人の肩書や役職にはさほど興味なく、結局、「音楽に対して愛があるか」とか「人と人とのつながりを大切にされているか」ということをなんとなくだが洞察しながら進めてしまう傾向がある。多分、先方も無骨に仕事をしている私や、ドメジャーではない音楽を懸命にアピールしている私に惹かれて、呼び寄せて下さっているのだと思う。なんだか、そう考えると、この21世紀になっても、結局、私は『ドキュメント女ののど自慢』と同じ目線かもとつくづく思う。でも、そんな需要と供給の絶妙のバランスの上、ずっと生活できているので、これもまた良いのかなと思っている。