T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

267・みんなヒットを望んでる

先日、ある雑誌の偉い方と話していて、先方が「音楽の仕事が楽しくなくなっている気がする」と言われた。その雑誌は、昨今の男女アイドルグループやK-POPブームで、長引く出版不況の中、堂々と完売している号もあるほど安泰なのに、「楽しくない」という言葉がやや意外だった。

また、別のレコード会社の方と話していて、限定盤AやらBやら、“収録内容違い”の通常盤やらで売上げを伸ばしているアーティスト担当の人が、数字上は喜ぶべきなのに、なんだか浮かない顔をされていた

共に私が、「今は、ヒット曲が少ない(正確には様々な報道の力関係で見えづらい)からじゃないですか?」と言ったら、「そう、それだ!」と物凄く共感された。振り返ってみたら、08年頃、そう、たった4年前の3月頃青山テルマ(feat.SoulJa)、ジェロ、清水翔太木山裕策凛として時雨、また前年からのヒットのすぎもとまさと等、シングルチャートを“楽曲”でぐいぐい攻めている“様々なジャンル”の新顔が多数現れた。あの時は、CDチャートでもダウンロードチャートでも、そういったロングヒットが現れて、本当に面白く感じられた。そのことを話すと、どちらの先方も、「ああ、そうだったなぁ」と、とても嬉しそうに同意された。

やっぱり、 「とりあえず売上げを立てる方向」と「長期的に目を向ける方向」の違いは、誰もが感じているのだなと思った。だからこそ、本当は作り手も聞き手も望んでいる方向である、楽曲でヒットさせようと頑張っている人を今後も応援していきたいと思った。