360・週刊現代で奈保子特集
先週発売になりますが、TEAROOM☆NAOKOのMARUさんちで教えていただいて、河合奈保子特集見たさに週刊現代を買いました。
『80年代最強アイドル 河合奈保子の「胸の谷間」を語ろう』なんてタイトル、実に感心。この雑誌のターゲットとしては100点満点のタイトルじゃないでしょうか。それでいてグラビア目当てで見たのに“歌のうまさが伝説なのは山口百恵と河合奈保子ぐらい”なんて書かれていると、「菩薩や神扱いの百恵と同じくらいならば、どんなのか聞いてみようかな。折しもシングル集も出たことだし(記事中にも紹介)」とライトファンの入口に繋がるわけで、本当に良い仕事だと思います。私だったらきっと『データでは語れない正統派アイドルの魅力』とかそんなタイトルつけてしまいそうだし、やっぱ誰に向けてアピールするのかって大事だなとあらためて思いました。
で、記事を読んでいると、やっぱり売野さんは84年〜85年に注力していて、それが強いあまり「唇のプライバシー」を最後の作品だったと記憶違いになっているのだなと思いました。実は、今からもう10年も前に『JEWEL BOX 2』内ブックレットの売野雅勇インタビューにあたって、私が聞き手を担当した時も「ジェラス・トレイン」が最後だと勘違いされていて、シングル「デビュー」以降は記憶から外れていて自作曲アルバムのプロデューサーとしてのお話しか出なかったのです。それで、その後、「デビュー」や「THROUGH THE WINDOW」、「涙のハリウッド」も売野先生ですよ、とこちらが歌詞を見せてみて、「あぁ、そうだった」と思い出され、その部分の記憶も補完して最終原稿を書き上げたのでした。なので、週刊現代の編集の方も“「唇のプライバシー」が最後の作品”というコメントが戻ってきた時点で、「もしかして『刹那の夏』のことかな?」と思い直してもらえれば、尚更に良かったかなと思います。(別に減点対象ではありません。おそらく前者のことでしょうし。)
そして、その時の売野さんの思い入れの状況から、以下のような妄想が浮かびました。
・「唇のプライバシー」〜「ジェラス・トレイン」(+アルバム『デイドリームコースト』〜『スターダスト・ガーデン』の作詞)で、売野雅勇さんの奈保子熱はいったん燃え尽きた
・確かに、それ以降の歌詞は、ややフェミニン路線にシフトしていて、弟子だった吉元由美の歌詞と情景が重なるものが多いので、おそらく85年頃から吉元さんが売野さん名義の歌詞をサポートしていたのでは?(そして、「ハーフムーン〜」以降の歌詞は、吉元さんがメインで売野さんがサポートみたいな。吉元さん作詞曲でも各曲コンセプトは全部丁寧に僕が設定した、と仰っていたので)
・久々にルビこねくり回し、かつシングルとしてはやや穏やかな曲調の86年第2弾シングル「刹那の夏」は『スターダスト・ガーデン』収録曲として以前から用意されていたものでは?(このシングルについては、『スターダスト・ガーデン』(画像)と同じ頃という記憶をされていたので。作詞・作曲も同アルバムと一致)
いえ、あくまでも私の妄想ですが、こうやって読み解くと、売野雅勇先生の作品だけでも様々な歴史があってより深く奈保子作品を味わうことができます。よろしければ、今回の記事をキッカケに是非どうぞ♪