365・瞬間の数字に御用心
最近、似ても似つかないゆるい絵が大人気だという。それが面白いのは重々分かる。事実、私も笑ったものも少なくない。
その一方で、深堀隆介氏のようにアクリル樹脂の中にまるで生きているかのような金魚を描く(形成する?)ようなアーティストもいる。1つの作品の制作に何ヶ月もかかるのだという。
それらの作品が売上げや検索キーワードなどの人気ランキングで同じ土俵で語られる際、ものすごい違和感や危機感を抱いてしまうのだ。
いや、食べ物でも例えばマックのハンバーガーVS一日数食しかない厳選された食材のレストランとか、自分が関わっている音楽でもピコピコっとキャッチーな音楽をする人と、何年も練り上げて制作する人がいるとか、あるんだけど、フードビジネスは売上だけでは語れないことが誰もが知っているし、逆に音楽は「大衆音楽」という場で闘っている以上、「売上げ」は一つの基準として必要とも思うのだ。(ヒットチャートがヒット“商品”チャートばかりに独占されていることには相変わらず危惧しているが(笑)、)
だけど、その大衆目的以外のアートの部分は、短期間での商業性にあまりに囚われて、一瞬の分かりやすさばかり重視してはいけないのでは?と、見ていてすごく怖くなるのだ。勿論、今に始まったことじゃないんだけれど、SNSが盛んになってから、その伝わりやすさと実力のギャップが日に日に大きくなっているような気がしている。いや、そこを逆手に取りつつ、本物を目指せばいいんだろうけど(微笑)。
画像は、私が青年期に読んで、あまりの緻密さに驚いた漫画より。コミックでも、顔の1/3くらい目が占めている萌え系アニメ、当時も今も苦手です(笑)。