T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

414・河合奈保子/『コレクションII』

1.疑問符
2.微風のメロディー
3.コントロール
4.太陽の下のストレンジャー
5.唇のプライバシー
6.ANGELA(手をひいてアンジェラ)
7.北駅のソリチュード
8.モスクワ・トワイライト
9.ジェラス・トレイン
10.オリエンタル・アイズ
11.デビュー〜Fly Me To Love〜
12.MANHATTAN JOKE

1985年7月24日発売のベスト盤(当時CDでのみ発売、品番33C31-7591、収録時間約49分)。83年末に発売された全14曲入りのA面コレクション『コレクション』に続いて、それ以降のシングル7枚のA面曲とデビュー5周年に発売された4枚のアルバムの代表曲を網羅した当時のベスト盤第2弾。

先日、旧友に逢った時に「これ、いいよね!」と彼が私に見せたのが、この『コレクションII』だった。なんでも、私がその昔、あまりに“奈保子奈保子”と言うので、普段アイドルポップスにほとんど興味のない彼がBOOK OFFに立ち寄った時に購入したという。

車で聞いてみて、あまりの歌の上手さに驚いたようだ。特に、「モスクワ・トワイライト」のぐんぐん伸びる感じが良いと言ってくれた。「これが一番ヒットシングルっぽいね」とも。(実際にはアルバムの中の1曲なのに。それだけ、アイドル系については、シングルかどうかも分からないほど。)

確かに、この1枚、A面コンプリートやB面コンプリート、更にはシングルBOXやアルバムBOXが発売された今となっては、魅力が目立たない1枚だけれど、河合奈保子のポップスシンガーとしての絶頂期を切り取った作品(より正確には「コントロール」〜「涙のハリウッド」かと思うが、ほぼ一致)で、その中でスリリングかつダイナミックな「コントロール」も「太陽の下のストレンジャー」も「唇のプライバシー」も「モスクワ・トワイライト」も「ジェラス・トレイン」も「MANHATTAN JOKE」も1枚で楽しめるって、これしかないのだ。50分弱という時間もコンパクトで、さほど興味のない人に聞いてもらうにもちょうど良いくらい。いくら名作が多いからって2枚組だとちょっと重い。

よりレアなものだけを追求しそれ以外に排他的なファンでもなく、またテレビで流れる曲だけを求めては自分の想い出だけをなぞるファンでもなく、そのアーティストの本物の部分に迫ろうとする姿勢に感心した。・・・まぁ、単に安かったからかもしれないが(笑)、このようにベスト盤の選び方一つとっても人から学ぶことは沢山ある。