T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉)

T2U音楽研究所/臼井孝のはてな版です。

428・鈴木聖美『WOMAN』

WOMANWoman Sings The Blues

1987年5月2日発売の『WOMAN』。正しくは、鈴木聖美with Rats&Star名義の1stアルバム。有線やカラオケでロングヒットした「ロンリー・チャップリン」や「TAXI」(考えたら2枚もアルバム発売後にリカットされるなんてスゴイ!)収録なので、何かしらで聴いた人も多いだろうし、実際にヒットしたけれど。

私としてはやっぱりデビュー作の「シンデレラ・リバティ」が最高に好き。それは、三浦百恵作詞、Annie(アン・ルイス)作曲という話題性や、メナードの夏のキャンペーンソングだったという広告力から知っている人もあるだろうけど、私の場合は、やっぱりマイナー調のハードポップな曲想や、終りに怯えながら幸せに震える感じが出ている歌詞が、物凄く好きなのだ。
歌詞は、こちら へどうぞ。

このアルバム、「シンデレラ・リバティ」以外は、岡田冨美子の作詞で固められているが、どれもこの「シンデレラ・リバティ」の後に聞いて全く違和感がない。幸せに不器用で、でも本当はとても素直で、でもいつまでも恋していたいという感じで統一されていて、アルバム1枚通して聴くと、今のコンペ100%で塗り固められた幕の内形式のアルバムとは全然聴き心地が異なる(無論、優劣を問うてはいません)。「シンデレラ〜」のシングルB面だった「Darlin'」とか、聞いててその歯がゆさに泣けてきそう。当時、勢いで売れたこともあってBOOK OFFでも結構見かけて、しかもベスト盤じゃないから100円〜250円で叩き売られているんだけど、これは500円以下なら十分モトの取れる作品。ちなみに、デビュー25周年に出た、同じく鈴木雅之プロデュースのカバー&セルフカバーアルバム『Woman Sings The Blues』も濃厚、こちらは悲壮感なく大人の余裕がいい。どちらも良かったらどうぞ。